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地方の「超高層ビルマウント」に習政権激怒、500メートル以上のビル建設禁止に:浦上早苗「中国式ニューエコノミー」(5/5 ページ)
高層ビルは都市にとって発展のシンボルだ。そして20世紀の超高層ビルは米国に集中していた。しかし2022年時点で、世界の高層ビルトップ10の半分は中国にある。中国政府は、虚栄心やマウントのために地方にさえ超高層ビルが次々に建築される状況に、神経をとがらせている。
ちなみに発改委の今月の通知では、「欲にまみれた」超高層ビルだけでなく「欧米に媚びた」り、景観を損ねる「奇怪な」建築物もNGだと明言された。
中国の伝統を重んじる習近平国家主席の価値観を反映し、「欧米風のデザイン」の見直しを命じられる例も頻発しているようだ。
また習主席は14年から、中国の風変わりな建築物に嫌悪の意を示し続けており、この数年は一般投票と専門家で決める「最も醜い建築物コンテスト」が盛況を博している。
IT規制、エンタメ規制、ゲーム規制など、成長の針を戻すように規制を乱発する習政権の手法には懸念や反発も大きいが、建築物規制は多くの国民が賛同している。
超高層ビルが珍しくなくなった時代において、経済や繁栄の象徴として高さを競うのは、豊かさに慣れた国民にとってもナンセンスなことなのだろう。
筆者:浦上 早苗
早稲田大学政治経済学部卒。西日本新聞社を経て、中国・大連に国費博士留学および少数民族向けの大学で講師。2016年夏以降東京で、執筆、翻訳、教育などを行う。法政大学MBA兼任講師(コミュニケーション・マネジメント)。帰国して日本語教師と通訳案内士の資格も取得。
最新刊は、「新型コロナ VS 中国14億人」(小学館新書)。twitter:sanadi37。
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