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地方の「超高層ビルマウント」に習政権激怒、500メートル以上のビル建設禁止に:浦上早苗「中国式ニューエコノミー」(4/5 ページ)
高層ビルは都市にとって発展のシンボルだ。そして20世紀の超高層ビルは米国に集中していた。しかし2022年時点で、世界の高層ビルトップ10の半分は中国にある。中国政府は、虚栄心やマウントのために地方にさえ超高層ビルが次々に建築される状況に、神経をとがらせている。
必要性ない地方でも乱立
中国政府が超高層ビルの建設を規制するのは、そのほとんどが必要だからではなく、「虚栄心を満たす」ために建てられているからだ。
人口や企業が多く、土地が不足する北京や上海、深センならともかく、建設ラッシュは土地に余裕がある地方都市に広がっている。20年の規制前は、中国で最も高い「上海タワー」を数メートルだけ上回る建築物の計画も相次いだ。
実用性への疑問に加え、経済性や安全性の面でも批判されている。
21年5月、深セン市で高さ約350メートル、75階建ての高層ビルが突然揺れ出し、大勢の買い物客が避難する騒動が起きた。中国政府はその半年後に高層建築物規制を強化した。
超高層ビルは避難フロア、エレベーター、防火設備など安全性を確保するコストが高いだけでなく、電力などエネルギーの消費量も大きく、最近のトレンドにも逆行する。
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