キャンピングカー人気を支えるのはどんな人? 実際の旅の様子は: 鈴木ケンイチ「自動車市場を読み解く」(1/3 ページ)
近年、注目度が高まっているのがキャンピングカーです。国内のキャンピングカー業界をまとめる日本RV協会が7月に発表した「キャンピングカー白書2022」を参考に、その人気を支えている人は、どんな人なのかを紹介します。
近年、注目度が高まっているのがキャンピングカーです。国内のキャンピングカー業界をまとめる日本RV協会が7月に発表した「キャンピングカー白書2022」を参考に、その人気を支えている人は、どんな人なのかを紹介します。
「キャンピングカー白書2022」には、キャンピングカーユーザーに向けたアンケート調査の結果が掲載されています。
キャンピングカーはお金持ちのものではない
ユーザーの年齢層は、「60歳代」が全体の41.9%を占め、最も多い世代となっています。続いて多いのが「50歳代」の33.1%、「40歳代」の13.4%、「70歳代以上」の9.3%、「30歳代」の2.1%、「20歳代以下」の0.2%という結果でした。つまり、60歳代以上で51.2%、50歳代以上で84.3%にもなります。40歳代以下は15.7%しかありません。ユーザーの多くが高齢者といっていいでしょう。
仕事は何か? という質問の答えは、「会社員」が40.7%でトップ。それに「無職」20.5%、「自営業」12.3%、「会社役員」10.6%、「公務員」9.6%と続きます。定年後の人が2割ほどいるのは、ユーザーの年齢が高いことを考えれば当然のこと。それ以上に「会社員」が多いのは、キャンピングカーが「お金持ちだけの特殊なもの」ではないことを意味しているのではないでしょうか。
購入の目的は何かという質問への答えは、「旅行」が90.2%でトップ。続いて、「キャンプ」の51.7%、「ペット」38.7%、「趣味(アウトドアスポーツ、釣り、カメラなど)」37.9%、「防災・災害対策」25.3%が続きます。「旅行」や「キャンピング」にキャンピングカーを使うのは当然として、「ペット」や「趣味」「防災・災害」の利用目的が意外に多いのが最近の特徴です。
キャンピングカーの購入価格を尋ねたところ、最も多かったのが「400〜500万円台」で26.3%。続いて、「600万〜700万円台」が21.5%、「800万〜900万円台」が19.2%。さらに、「200万〜300万円台」が15.7%、「1000万〜1500万円台」が13.4%と続きます。つまりボリュームゾーンは、400万〜700万円で、そこだけで全体の47.8%と半数近くを占めているのです。
調査では、購入者の世帯収入も調査していました。すると意外なことが分かります。世帯収入の少ない順に並べると「400万円未満」18.8%、「400万〜500万円台」16.2%、「600万〜700万円台」20.3%、「800万〜900万円台」18.2%、「1000万円台」22.6%、「2000万円台」2.4%、「3000万円台」1.4%となります。一番多いのが「1000万円台」の22.6%なのですが、それ以外もすべて16〜20%。つまり、購入者の年収はそれほど大きな差がないのです。これも「キャンピングカーがお金持ちの特殊なもの」ではないことを示していると言えるでしょう。
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