「銀行ができなかった金融を」Biz Forward、ファクタリング強化で目指す道:金融ディスラプション(2/2 ページ)
三菱UFJ銀行とマネーフォワードが合弁で設立した「Biz Forward」。2021年8月2日の設立から1年が経ち、主力事業の1つであるファクタリングサービス「SHIKIN+」の事業開発が加速してきた。
「最後の手段」というファクタリングの位置付けを変える
Biz Forwardは、審査の迅速化とリスクの取り方で、「最後の手段」というファクタリングの位置付けを変えようとしている。
現在も、最短2営業日という入金スピードを特徴としているが、今回の口座連携機能などによりさらなる迅速化を目指す。画像ファイルをやりとりするのに比べ、スピードが早くなるだけでなく正確さも向上する。今後は審査自体のアルゴリズム化も進める。「目指す姿は、最終的には人が介在しない審査モデルだ。一定程度のデータが蓄積できるまでは人が審査判断を行っているが、徐々にデータも蓄積できてきた」(山本氏)
理想の姿は、取引データを常時ウォッチして条件をリアルタイムで提示するシステムだ。「クラウド上で、この請求書は◯%で買い取りますとプッシュで出せるサービスは理想に近い」(山本氏)
手数料率も業界最低水準となる「1〜10%程度」をうたっている。ただし、とにかく低コストにするというよりも、これまでサービスが提供できなかった企業にも提供できるようにしたいという思いが強い。
「よりリスクを取って、小さい企業に対し、(マネーフォワード子会社でファクタリングサービスを営む)マネーフォワード ケッサイができてこなかったところまでやりたい。三菱UFJ銀行の資金力とリスクの捉え方、それを元に新しいモデルを作っていく」(林氏)
事業としては、基本的に手数料率のほうが貸し倒れ率+資金調達コストより高ければ成り立つ。三菱UFJ銀行から資金を調達できることで、大きなリスクをとっても成り立つ基盤がある。中小企業に向けた金融包摂を実現したいという思いが、そこにはあった。
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