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3年目を迎えた、具なし中華まん「すまん」 井村屋にとってちょっと意外だった“食べ方”とは:SNSがきっかけで開発(3/4 ページ)
井村屋が2020年に具なし中華まん「すまん」を発売した。売り上げはじわじわと伸びてきて、3年目に突入した。今年は、小売店での販売にもチャレンジする。
二段熟成発酵
すまんには、同社の「ゴールドまんシリーズ」と同じ生地が使用されている。ゴールドまんシリーズは、原料、配合、製法にこだわっているのが特徴。独自の二段熟成発酵により、生地はもっちり感・風味・うまみが味わえるようにしている。
通常の肉まんは、具を生地で包んで、発酵させたあとに蒸している。二段熟成発酵は、生地を発酵させた後に具を包み、再び発酵させてから蒸している。
すまんの場合、具を包む工程がなくなる。開発部の金井彩氏は、「具の周りに皮があるのとないのでは、発酵条件が異なります。具がなくてもふっくら、もっちりとなるように調整しました」と説明する。22年に発売するすまんは、さらに口どけの良い生地に仕上げたという。
すまんを発売してみて、どのような反響があったのか。「自分だけの●●まんがつくれる」という喜びの声が多くあったのは想定内だった。一方、意外だったのは「皮だけで食べてみたかった」という反響が思いのほか多かったことだ。担当者らは、「肉まんと同じ感覚で、おやつとしてすまんを食べる」「朝食時に、食パンと同じような感覚で食べる」といった利用がされているのではないかと分析する。
すまんは、井村屋にとってSNSがきっかけで開発した初めての商品だ。そうした背景もあり、発売時にはSNSやメディアで話題となった。興味本位で購入した人が「やっぱり、井村屋の中華まんの皮はおいしい」と思ってもらえたことも、良い波及効果だという。
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