10年連続売り上げアップ ”甘くない”が「午後の紅茶」の定番商品になった理由:ストレート、ミルク、レモンに続く(4/4 ページ)
キリンビバレッジが販売する「午後の紅茶」シリーズが好調だ。2022年上半期の累計販売数量は前年比104%で、2年ぶりに2300万箱を突破。そんなシリーズの好調を牽引したのが、「午後の紅茶 おいしい無糖」や「午後の紅茶 ミルクティー微糖」といった“甘くない”紅茶だ。
午後ティーが生み出す次の1杯
「午後の紅茶シリーズは、『缶の紅茶ってなんでおいしくないんだろう?』『本当においしいリーフティーの本格紅茶は作れないのだろうか?』という疑問から生まれました」(田代さん)。「冷やすと濁る」というアイスティーの特性を抑えて透明な液色を実現するクリアアイスティー製法など発売当時からの技術やこだわりを今に受け継ぎ、昨年で35周年を迎えた。
35周年に際し、ストレートティー・ミルクティー・レモンティーの3種類は、大幅なリニューアルを実施。特に草生け的存在のストレートティーは過去10年の処方を全て洗い出し、イチから設計し直したという。
また、紅茶の命である茶葉の配合については、ストレートティー、ミルクティー、レモンティー全てにおいて、これまでの味や午後の紅茶らしさを維持しつつ、よりおいしい紅茶にするため何十回も調整を繰り返して理想の配合バランスを追求した。
「これからの紅茶市場は、コロナ禍で一時落ち込みが見られたものの、長期トレンドでは上昇傾向であり22年以降も伸長が見込まれます」(田代さん)。中でも、無糖・微糖カテゴリーはますます伸長すると分析し、「午後の紅茶 おいしい無糖」や「午後の紅茶 ミルクティー微糖」はまさにその立役者といえるだろう。
その一方で、無糖・微糖カテゴリーに続くべく、健康領域など新しいカテゴリーの開拓にも取り組んでいる。日本の紅茶市場を牽引してきた午後の紅茶が生み出す次の1杯に注目したい。
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