自販機5台の売り上げが、1年で1500万円を突破 冷凍ビーフンが思った以上に好調だった背景:コロナ禍がきっかけ(5/5 ページ)
ビーフンメーカー「ケンミン食品」が、2021年9月に冷凍ビーフンを自販機で取り扱い始めた。自販機は5台にまで増えて、累計の売り上げは1500万円を突破した。その背景とは?
5台目は善戦
5台目を設置したのは、冷凍ビーフンを生産する「フジケンミンフーズ」(静岡県藤枝市)の工場前だ。主な販売商品は、他と同様に冷凍ビーフンやはるさめだ。工場直売自販機ならではのラインアップとして、品質上は問題ないが包装に不具合のある商品などを「わけあり品」として割引価格で販売している。
他の自販機では、約180グラムの焼ビーフンを2個パックで500円としているが、業務用のわけあり焼ビーフン(500グラム)を300円で提供している。また、工場直売価格として焼ビーフンなどは20%オフで販売している。
5台目の自販機は「思ったより好調」(広報担当者)だという。本社前の自販機と同程度の売り上げ規模とのこと。
フジケンミンフーズは、JRの藤枝駅からクルマで約10分の川沿いにある。近隣には高校や住宅地があり、閑静な場所だ。設置してある自販機を写真でみると、静かな場所にぽつんとある印象だ。
道路沿いに自販機の存在をアピールする看板を設置していることや、スポンサーになっている地元のサッカーチームがファンに宣伝してくれたりしていることが、好調な売り上げにつながっていると同社は分析している。売れ筋は、わけありのビーフンだという。
全体として売れ行き好調な冷凍自販機だが、今後も増やしていく予定はあるのだろうか。
広報担当者によると、他の企業から冷凍自販機を設置したいという問い合わせはあるが、現在は断っているという。理由は、生協向け冷凍ビーフンの供給に余裕がないためだ。広報担当者も「一気に50台、100台とするのではなく、できる範囲で増やしていきたい」と説明する。
ビーフンの冷凍自販機は、今後もじわじわと増えていきそうだ。
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