SBI HD、4-6月決算は証券業界のトップ利益に
SBIホールディングス(以下、SBI)は、グループ全体でも証券単体でも証券業界のトップの利益だった。2023年3月期の第1四半期連結決算(国際会計基準)の発表によれば、4−6月期として過去最高となった増収であるが、投資先の評価損、暗号資産事業での損失が大きく、減益となった。
SBIホールディングス(以下、SBI)が発表した2023年3月期の第1四半期連結決算によれば、4-6月期としては売上高が過去最高となったが、投資先の評価損、暗号資産事業での損失が大きく、減益となった。
売上高にあたる収益は、2321億円(前年同期比68.9%増)で4-6月期として過去最高となったが、最終利益は23億円の純損失(前年同期は289億円の黒字)であった。投資先であるベトナムのTPバンクの株価下落による約240億円の評価損や、暗号資産事業において、ロシアでのマイニング事業の停止や保有する暗号資産の価格下落、および買収した英B2C2社の一部取引先の破綻に伴う損失が要因となった。
それでもSBIは、グループ全体ではもちろん、証券単体で見ても証券業界の中で利益トップだ。
証券業界における主要なグループ各社との税引前利益を比較すると、SBIが今四半期で235億円であるのに対し、野村ホールディングスで117億円、大和証券グループ本社で201億円となる。また、主要証券各社との営業利益を比較すると、SBIが今四半期で121億円であるのに対し、野村証券で90億円、大和証券が28億円の赤字だった。ちなみにそのほかの証券各社の営業利益は、みずほ証券で45億円、三菱UFJモルガン・スタンレー証券で73億円、楽天証券(第2四半期、4−6月のみ)で37億円、SMBC日興証券が75億円の赤字であった。
SBIはネット専業証券の中で首位であり、昨年12月には新生銀行をTOBにて子会社化した。積極的なM&A戦略で、岡三アセットマネジメントや暗号資産事業のビットポイントなども子会社化してきた。投資事業も好調で、21年度に続き今年度も投資先企業のIPOラッシュが続く。6月には三井住友フィナンシャルグループとの包括的資本業務提携を結び、新たに開発する個人向けデジタル金融サービスを年内に開始する予定だ。
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