亀田の社員も解けない? 「ぽたぽた焼」難しすぎるクイズに反響 包装にもこだわる理由:生活に喜びと潤いを届けたい(2/3 ページ)
「心のやさしい人が、コンビニでよく買うものな〜んだ?」――。先日、亀田製菓の「ぽたぽた焼」の個包装に載せられたなぞなぞがSNSで「難しすぎる」と話題になった。個包装に載せるなぞなぞや豆知識は、どうやって作っているのだろうか。
現在、ぽたぽた焼の個包装に載せているのは「ぽたぽた親子あそび」と題した、なぞなぞや早口言葉、しりとりなど20種類。パッケージデザインをリニューアルした2016年から採用されているものだという。中には、1カ月近く練りに練って採用に至ったアイデアもあるという。
味のおいしさだけでなく、個包装のコンテンツにもここまで注力するのはなぜなのか。沼田さんは、「食べておいしいだけではなく、一緒に食べている家族や友人との会話につながり、その場がより楽しくなるような姿をイメージし、個包装に載せるアイデアを考えています」と話す。
水飴屋からスタートした亀田製菓
亀田製菓が産声を上げたのは、戦後間もない1946年。当時、地元の農家が共同で出資し、「亀田郷農民組合委託加工所」を創業。水飴の委託加工を手掛けたのが始まりだ。戦後、男性には「どぶろく」というお酒があったが、「女性や子どもには楽しみが少ない」と考えた。水飴を作ることで「生活に喜びと潤いを届けたい」との思いが、創業の原点だという。
その後、57年に現在の名称である亀田製菓を設立。以来、ご当地・新潟限定の「サラダホープ」(61年)を始め、「ピーナッツ入り柿の種」(66年)、「ハッピーターン」(76年)、「まがりせんべい」(86年)――など、誰もが知る数々の人気菓子を世に送り出してきた。
亀田製菓コーポレートコミュニケーションチームの池ノ上雄樹さんは、「おいしいお菓子で喜んでもらいたいという思いももちろんありますが、パッケージにも遊び心で工夫を凝らし、より生活に喜びと潤いを届けたい、という気持ちが根底にあります」と説明する。
パッケージから消えた「七輪」が復活したワケ
ぽたぽた焼といえば、かつて、パッケージデザインから「七輪が消えた」と話題になったことがある。2011年以前のデザインは、おばあちゃんが七輪を使って砂糖じょうゆを垂らせながらせんべいを焼いているイラストだった。しかし、同年のデザインリニューアルで七輪が消え、せんべいを食べているおばあちゃんのイラストに変更された。SNS上では「既製品を食べる姿に変わった」として「おばあちゃん現役引退説」などがささやかれた。
この「消えた七輪」は、それから5年後の16年のパッケージリニューアルの際に再び復活し、現在に至っている。七輪が復活したのはなぜなのだろうか。
「11年当時、火鉢が消えたのは生活シーンの変化が背景にありました。しかし、ぽたぽた焼は、イラストにあるような、ぽたぽたと垂れる特製の砂糖じょうゆの甘さが一番の特徴です。このおいしさをしっかりと届けるために、七輪のイラストを復活させました」(沼田さん)
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