最新ゴールドカードのトレンドを網羅 セゾンゴールドプレミアムが狙う日常のお得化とは?:金融ディスラプション(2/5 ページ)
楽天カードとは違った観点でお得をうたうカードが、このところ次々と登場してきている。そしてその中心は、年会無料の一般カードではなく、1万円前後の年会費のゴールドカードだ。クレディセゾンが8月に発行を始めた「セゾンゴールドプレミアム」もその一つだ。
ステータス性から、新たなお得にシフトする、ゴールドカード
セゾンゴールドプレミアムの特徴を分析する前に、昨今のゴールドカードの位置付けをおさらいしておこう。その昔、ゴールドカードというのは収入も社会的地位も高い人しか作れない、まさにステータスカードだった。大企業の部長とか中小企業の社長、医者とか弁護士しか作れない憧れのカードだ。
ところが次第にゴールドカードの価値は低下していく。いまやゴールドカードは学生であっても作れ、年会費は数千円で、サービス内容も一般カードと大差ないのに、色だけが金色というものが大量に出回っている。
こうした流れは信販系や貸金業系、そして新興系がけん引してきており、大手カード会社はブランド力のあるゴールドカードの価値を守ろうとする傾向にあった。それが崩れたのが、2021年7月に行われた三井住友ゴールドカード(NL)の年会費無料化だ。1万1000円の年会費を、年間100万円利用すると“永年無料”化するというもの。これは、ちまたでは「ゴールド修行」などと呼ばれ、なんとか100万円を使おうという姿が見られた。
これはエポスカードでも同様だ。エポスゴールドカードは年間50万円の利用で、翌年以降、5000円の年会費が永年無料になる。
こうした永年無料施策は、ステータス性を維持しつつ利用促進を進める取り組みであり、ユーザー数も大きく増加したと見られる。実際、三井住友ゴールドカード(NL)登場以前のゴールドカード専用ダイヤルは普通に電話がつながったが、最近は全く電話がつながらない。コールセンターを縮小はしないだろうから、単純にユーザー数が増加したのだろう。
なぜ三井住友ゴールドカードの話を書いたかといえば、セゾンゴールドプレミアムがまさに同様の仕組みを取ったからだ。年会費は1万1000円だが、年間100万円の利用で翌年以降の年会費が永年無料となる。ちなみに、「永久無料」はいつまでもずっと無料という意味だが、「永年無料」は永い間無料という意味で、場合によって無料でなくなる場合もある。クレジットカード関係で「永年」が出てきたら、覚えておくといいだろう。
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