都会から移住、朝食屋に行列 『鎌倉殿の13人』で注目の「鎌倉」で何が起きているのか:長浜淳之介のトレンドアンテナ(2/6 ページ)
NHKの大河ドラマ『鎌倉殿の13人』が話題になっている。鎌倉市では観光客向け施設を出店する動きがある一方で、都会から移住する人も目立っている。
ワーケーションに向いた環境
「鎌倉って旅するように暮らす感覚がある」と語るのは、骨盤調整による体のメンテナンスを事業化した「こしかけ企画」代表の梯(かけはし)美和氏。梯氏は材木座にスタジオを構えている。
経営者・個人事業主向けに月1〜4回のマンツーマン、セミプライベートのレッスンを行っている。また、海岸沿いにある「材木座テラス」という商業施設内のスタジオを借りて、7〜8人のレッスンを月に1度開催している。
梯氏は2018年までの約20年間、東京で秘書などとして働いていた。都内にマンションを購入していたが、脱サラをしてフリーに。マンションが売れたタイミングで、湘南エリアに引っ越した。逗子、七里ヶ浜を経て21年6月、材木座に住居を移した。東京に住んでいた時から七里ヶ浜に友人が居て、月に1度は会いに来ていたのでもともと好きなエリアだったという。
梯氏によれば、鎌倉の住民は人との距離感が絶妙。「東京だと常に緊張して戦っているイメージがあるが、鎌倉ではいい感じに力が抜ける。鎌倉で出会った人たちのコミュニティーのおかげで事業ができている」とのことだ。
21年3月にオープンしたコワーキングスペース「ハルバル材木座」で、梯氏はワークショップを行って仕事の広がりができた。前出朝食屋コバカバも、営業時間外にワークショップの場所を貸してくれた。
また、鎌倉駅西口のスペインバル「鎌倉美学」には、さまざまなクリエイティブな人が集い、事業にプラスになる学びがあるという。
梯氏はもともと、東京で秘書をしていた際、体と心を緊張から緩めることを主眼にした自力骨盤調整の体操、呼吸法に出合った。がんばらなくても良いメソッドに引かれて、生徒から入りインストラクターの資格(b-iスタイリスト)を取って独立した。
リラックスしてゆったりと仕事ができるワーケーションに向いた環境が、鎌倉にはあるようだ。
関連記事
- レゴランドってそんなにひどいの? 家族を連れて行ってみた
「隣接する商業施設からテナントが撤退」「水筒の持ち込み禁止」などのニュースで注目を浴びているレゴランド。ネット上では酷評する声もあるが、実際はどうなのだろうか。記者が家族を連れて遊びに行ってみた。 - なぜ女子の半分が泳いでないの? ジェンダーレス水着の開発者が語った“忘れられない光景”
フットマークのジェンダーレス水着が話題になっている。性の悩みだけでなく、さまざまな理由で「肌を隠したい」生徒のニーズに対応するのが狙い。開発者にその背景を聞いた。 - パソナの淡路島移転計画はどうなっている? 家族で引っ越した社員が語ったリアルな日常
パソナが着々と社員の淡路島移住を進めている。実際に働いている社員はどういったことを考えているのか。現地で増えている商業施設の状況も取材した。 - 290円ラーメンに250円定食 びっくりドンキー、幸楽苑、なか卯で進む「朝食革命」の正体
朝食に力を入れる外食チェーンや飲食店の動きが目立ってきた。ハンバーグ専門店「びっくりドンキー」、タピオカや台湾料理の専門店「春水堂」などが参入している。どのような戦略を打ち出しているのか。 - スシローとくら寿司 「価格帯」と「シャリ」から見えた戦略の“決定的”な違いとは
大手回転寿司チェーンのスシローとくら寿司。標準的な寿司の重さはほぼ一緒。しかし、価格とシャリの違いから戦略の違いが見えてきた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.