スマホが近くにあるだけで、集中力は低下する
無意識にスマホに手が伸びてしまうなら、「仕事中はスマホを別の部屋に置く」ことからはじめてみてください。
テキサス大学の心理学者エイドリアン・ウォード氏の調査は無視できません。800人の被験者を「スマホを別の部屋に置く」「ポケットに入れる」「目の前に置く」のグループに分けて、スマホが人間の集中力に与える影響についていくつかのテストを行ったところ、最低点だったのは「スマホを目の前に置く」グループでした。スマホが手に取りやすい位置にあると、集中力が下がるという検証が出たのです。
さらに、つい見てしまうスマホのアプリをフォルダに格納する方法もオススメ。図は私のスマホの画面です。こうすると面倒なので、手を伸ばさなくなります。
それでも、手が伸びてしまうなら、タイムロッキングコンテナを使うことも検討してください。これは、設定した時間になるまで、蓋を開けられないボックスです。スマホに手が伸びることは確実になくなります。自分に合った方法で、スマホを遠ざける方法を考えてください。
「タイムプレッシャー効果」で、さらに集中力UP
無意識に1つ1つの作業に時間をかけてしまうことはないでしょうか。だとしたら、作業をする前に「所要時間」を決めてみてください。
「タイムプレッシャー効果」によって、集中力がアップします。「タイムプレッシャー効果」とは、脳科学で有名な茂木健一郎氏が提唱したことで有名になりました。いわゆる締め切り効果です。
この効果を利用したオススメの方法があります。「所要時間入り、To-Doリスト」を作成してください。
でも、「時間を決めるのはちょっと面倒」と思いませんでしたか。だとしたら、「パーキンソンの法則」のわなも知っておくといいでしょう。「仕事の量は、完成のために与えられた時間を全て使い切るまで膨張する」という有名な法則です。
「まだ時間がある」と思うと、時間いっぱいまで仕事をしてしまい、結果的に生産性が落ちてしまうことも少なくないでしょう。それを予防する対策が、「所要時間入り、To-Doリスト」なのです。
最強の集中力は「ポモドーロ・テクニック」で
集中力を維持するには、「休憩」が不可欠と発表したのは、東京大学の池谷裕二教授です。40分を境に、集中力を維持するガンマ波は、急低下してしまいます。
でも実際のところ、休憩のタイミングって難しくないでしょうか。ズルズルとやってしまうのが現状でしょう。
そこで紹介したいのが「ポモドーロ・テクニック」。イタリア人の起業家、フランチェスコ・シリロ氏が提唱したことで世界中に広まったメソッドです。この手法を使うと、簡単に休憩時間をコントロールができるようになります。
方法は簡単。まず、25分間は集中しながら作業したら、すぐに5分休みます。また25分の作業をし、5分休む、これを4回繰り返した後に、20〜30分のインターバルを挟んでメリハリをつけるのです。こうすることで、長時間にわたって集中力が維持できます。
最近では、ポモドーロ・テクニック用のスマホアプリもありますので、自分に合うアプリを探すのもいいでしょう。私もやっていますが、自分の「集中力の限界」を超えたレベルで集中力を保つことができます。
著者:伊庭 正康(いば・まさやす)
株式会社らしさラボ代表取締役。1991年リクルートグループ入社。法人営業職として従事。プレイヤー部門とマネジャー部門の両部門で年間全国トップ表彰4回を受賞。累計40回以上の社内表彰を受け、営業部長、(株)フロムエーキャリアの代表取締役を歴任。2011年、研修会社(株)らしさラボを設立。リーディングカンパニーを中心に年間200回を超えるセッション(営業研修、営業リーダー研修、コーチング、講演)を行っている。実践的なプログラムが好評で、リピート率は9割を超え、その活動は『日本経済新聞』『日経ビジネス』『The21』など多数のメディアで紹介されている。Webラーニング「Udemy」でも営業スキル、リーダーシップ、時間管理などの講座を提供し、ベストセラーコンテンツとなっている。
代表作に『できるリーダーはこれしかやらない』(PHP出版)、『メンバーが勝手に動く最高のチームをつくる プレイングマネジャーの基本』(かんき出版)など。YouTubeやVoicyでも情報を発信中。
公式Webサイト:らしさラボ公式Webサイト
Twitter:@Coping_coach
公式YouTubeチャンネル:研修トレーナー伊庭正康のスキルアップチャンネル
Voicy:1日5分 スキルUPラジオ
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
ソニーの「着るエアコン」“バカ売れ” 猛暑追い風に「想定以上で推移」
連日の猛暑が続く中、ソニーグループ(ソニーG)が4月に発売した、充電式の冷温デバイス「REON POCKET 3」(レオンポケット3)の売れ行きが好調だ。同製品は「着るエアコン」とも呼ばれており、ビジネスパーソンを中心に売り上げを伸ばしている。
「急速充電でバッテリー故障」投稿に反響 BEVの正しい充電方法とは? 日産広報に聞いた
電気自動車(EV)を急速充電しすぎたらバッテリーが故障したとする投稿がTwitterで注目を集めている。日産自動車広報にEVの適切な充電方法などを聞いた。
最速で仕事が終わる 「ムダ」をやめる4つの手順
優先順位のつけ方などを中心に業務効率化に欠かせない「ムダ」をやめる手順を紹介する。
仕事は1人ではできない “お願い下手”から“お願い上手”になる3つのコツ
抗原検査キットには「体外診断用医薬品」を──消費者庁が注意喚起 「『研究用』では新型コロナ感染チェックできない」
新型コロナウイルスの感染が再拡大していることを受け、自宅で簡単に陽性・陰性を判定する「抗原検査キット」に注目が集まる中、「研究用」と記載された商品の使用を巡って、消費者庁が事業者などに注意を呼び掛けている。
タイガーとサーモスの「炭酸対応ボトル」、猛暑で販売好調 節電ニーズも追い風に
記録的な猛暑が続く中、タイガー魔法瓶とサーモスが販売する、炭酸飲料の持ち運びに対応した魔法瓶の売れ行きが好調だ。販売数が前週比で倍増しているケースもあるという。
コロナ禍ならでは? Zoffの「薄色レンズ」サングラス、販売好調の理由
メガネブランド「Zoff」(ゾフ)で、レンズの色が薄い「ライトカラー」のサングラス販売が好調だ。理由などを運営元のインターメスティックに聞いた。






