抗原検査キットには「体外診断用医薬品」を──消費者庁が注意喚起 「『研究用』では新型コロナ感染チェックできない」:東亜産業は「研究用」140万本を無償提供(1/3 ページ)
新型コロナウイルスの感染が再拡大していることを受け、自宅で簡単に陽性・陰性を判定する「抗原検査キット」に注目が集まる中、「研究用」と記載された商品の使用を巡って、消費者庁が事業者などに注意を呼び掛けている。
新型コロナウイルスの感染が再拡大していることを受け、自宅で簡単に陽性・陰性を判定する「抗原検査キット」に注目が集まっている。8月上旬には、日用雑貨の販売などを手掛ける東亜産業(東京都千代田区)が検査キット140万本を、全国の自治体に無償配布したことも話題になった。地元住民に無料配布する自治体が増加している他、薬局でも販売されているケースが多いが、各社が販売している検査キットには違いがあり、製品によっては新型コロナの判定に不適切だとして、消費者庁が注意喚起している。
「体外診断用医薬品」の検査キット56製品を承認
消費者庁は、抗原検査キットには「体外診断用医薬品」と「研究用」の2種類があると説明。このうち、体外診断用医薬品は、陽性判断に効果があるとして厚生労働省が“お墨付き”を与えたものだ。厚労省は公式Webサイトで承認情報を公開しており、記事執筆時点(8月17日午後2時時点)では富士レビオ、シスメックス、キヤノンメディカルシステムズ、富士フイルム、ロートなどの企業が手掛けた56製品を体外診断用医薬品として承認している。
一方、研究用は厚労省が承認した製品ではない。消費者庁も「『研究用』として市販されている抗原定性検査キットは、国が承認した『体外診断用医薬品』ではなく、性能などが確認されたものではない」「研究用は、新型コロナウイルス感染の有無を調べることを目的としているものではない」と指摘。
「研究用については、あたかも国が承認したものであるかのような表示をしていた事業者に対し、景品表示法に基づく行政指導がされた例もある」とし、従業員の感染チェック法として抗原検査キットを使用する企業などに対して「体外診断用医薬品かどうかをよく確認してから購入してほしい」と公式Twitterアカウントなどで注意を促している。
21年3月、検査キットを販売していた事業者5社に行政指導した際も、消費者庁は「現在、新型コロナウイルスに感染しているかどうかを判定できるものではない」としていた。
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