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男の子でも赤いランドセルを! 土屋鞄製造所のジェンダーレスシリーズが、支持されている背景:たちまち売り上げ上位に(2/3 ページ)
「土屋鞄製造所」のジェンダーレスランドセル「RECO(レコ)」が売れている。2021年3月に注文受付を開始したところ、たちまち人気商品に。開発者に背景を聞いた。
金具の色も工夫
男女でも違和感なく使えるようにした工夫はいくつかある。例えば、プリズムオレンジのランドセルの金具の色は、金ではなくソフトブラックを採用している。金にするとやや女の子寄りに見えてしまうためだ。
なぜ、土屋鞄製造所はRECOシリーズを開発したのか。背景には、ランドセルを購入する際、子どもが自分の好きな色を選ぶ傾向が強まっていることがある。同社が約3万人の顧客を対象に実施した調査では、購入の決め手として「お子さまが気にいったデザイン・色だから」と回答した人が約7割にのぼった。
南波氏は「当社が実施する出張販売会で、赤いランドセルをほしがっている男の子を親が説得して止めさせるというシーンを何度も見てきました。子どもたちが選べる色の範囲を広げたいという思いがありました」と説明する。
土屋鞄製造所ではもともと「男の子用」「女の子用」と明確にセグメントするのではなく、商品の品質や素材をアピールしていた。そのため、RECOブランドを顧客向けに説明する際には「ジェンダーレス」という言葉は使っていない。ただ、「男の子=黒」「女の子=赤」というイメージを払拭するため、RECOシリーズのカタログには、男の子がレッド、女の子がブラックのランドセルをそれぞれ背負っている写真を使っている。これは、同社としては初めての取り組みだ。
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