部下がどんどん「指示待ち人間」に──絶対にしてはいけないマネジメント法:マネジャーのお悩み相談室(1/3 ページ)
「指示待ち人間」的な部下が多く、チームの業務が計画通りに進まないという悩みを持つ相談者。なぜ、指示待ち人間が生まれてしまうのか。改善するためにはどうしたらいいのか? マネジャー育成プログラムなどを手掛ける筆者の回答は……。
連載:マネジャーのお悩み相談室
思うようにチーム運営ができない、部下がいつまでも成長してくれない──こうしたマネジャーが抱える悩みにお答えします。回答者は、ベンチャー企業向けのマネジャー育成プログラムなどを手掛けるEVeM代表取締役の長村禎庸氏。
今回のお悩み
「指示待ち人間」的な部下が多く、チームの業務が計画通りに進みません。
毎日メンバーに指示を飛ばす日々ですが、それでも思うように行きません。どうすればもっとスピーディにチームが動きますでしょうか?
答え
マネジャーが全部指示をしなければならないのは大変ですよね。メンバーが自発的に動いてくれればチームのスピードは上がります。そのためには、メンバーが自発的に動くようなマネジメントを心掛ける必要があります。
指示待ち人間はこうして生まれる
指示をしなければ動かない人間のことを世間では「指示待ち人間」と呼びます。まず、指示待ち人間が生まれる2パターンのやりとりをご紹介します。
例えば、「新規事業を作りたい。飲食店のレジがデジタル化されて、計算も全てタブレットでできるサービスのTOP画面イメージを作成してきて」とマネジャーがメンバーに指示をしたとします。とても分かりやすい指示ですよね。
イメージを持ってきたメンバーに対し「じゃあ次は、このボタンを押した後の画面について具体的なイメージを作成してきて」と指示をします。これも分かりやすいですよね。イメージを持ってきたメンバーに対して……と細やかな指示を繰り返していきます。
どうでしょうか?マネジャーはこの調子で細やかな指示を繰り返し、メンバーは指示待ちになっていきます。
マネジャーは「もっと自分で考えてよ……」と思うでしょうし、メンバーは「指示が細かいな」と思うはずです。
そこで、細かい指示がめんどくさいと感じたマネジャーが、指示をざっくりに変えたとします。
「新規事業何か考えてよ」という指示に変えました。メンバーはそのざっくりとした指示に対し「どの分野ですか?」「どれくらいの売り上げを目指しますか?」「どれくらいの納期ですか?」などさまざま質問をするでしょう。結局マネジャーから細かい指示をすることになり、メンバーはその指示待ちになります。
細かく指示をしても、ざっくり指示をしても、結局は指示待ち人間が生まれてしまいます。
「もっと自分で考えてよ」という願いが叶わないのであれば、「じゃあ1つ1つやること指示するしかないじゃないか」となり、指示待ち人間に囲まれながら仕事をしているマネジャーさんは多いのではないでしょうか。
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