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「あなたは保険に入る必要はありません」のマネフォの保険はどう進化してきたのか?金融ディスラプション(2/4 ページ)

マネーフォワードがネット専業保険会社のライネット生命と組んで、2021年7月にスタートした「マネーフォワードの生命保険」。診断を受けると「あなたは保険に入る必要はありません」と表示されるユーザーが続出。約8割のユーザーがそう診断されたという。そこから1年と少々経ち、さまざまな機能が追加されてきた。

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保障額を随時“減額”するという新機能

 まず大きなアップデートがあったのは21年11月だ。加入者向けに、家計簿ソフト「マネーフォワード ME」内のデータを活用したサービスを始めた。これは、データを元に保障額を随時減額し、支払う保険料を減らしていくというコンセプトのサービスだ。

 これはどういう意味か。生命保険の保障額算定のロジックは、死亡したときに遺族が今後必要とする額を計算するのが基本となっている。つまり、養育教育資金を考えれば出産後に必要な保障額は最も大きくなるし、子供の卒業が近づいてくれば、だんだんと必要保障額は小さくなっていく。3000万円とか1億円とか、必要な保障額は一定なのではなく、人生のステージや状況によって変わるものだ。

 ところが「業界では“箱定期”といって、どのタイミングで亡くなっても、必要とされる最大の金額を支払うものがポピュラー」(西剛男プロダクトマネージャー)だ。つまり、最大保障額を継続するわけで、支払う保険料も当然多くなる。

 では必要な保障額がリアルタイムで把握できれば、不要な部分を削ることで保険料も節約できないか? これがこのアップデートのコンセプトだ。

 具体的には、マネーフォワード MEのデータを元にして2つの数字を導きだした。1つは生活費の変化を捉えることで必要保障額の減少幅を見積もることだ。もう1つは、預貯金や金融資産の増加をチェックして、自分の資産でまかなえる部分を見積もる。「この2点を家計簿から測れるのが、マネーフォワードではないか」(西氏)というわけだ。


生活費の減少や、収入の増加による社会保障額の増加から、民間生命保険の必要保障額は減少していく

資産構築が順調に進めば、その分も必要保障額から除いてかまわない

 必要保障額の算出はけっこうややこしい。生活費の減少を織り込むだけでなく、例えば収入が上がると、それに連動して公的な社会保障額も上がる。こうしたさまざまな要素を盛り込むことで、必要保障額を随時アップデートし、年に1回メールで連絡してくれる。

 ただし、これを実現するにはライフネット生命の保険でなければならなかった。保障額を、随時減額できる生命保険でなければならないからだ。「減額をしていけるライフネットの保険と組み合わせると、定期的に必要保障額の減額が可能になり、最後にネット完結で解約もできる」と、西氏は相性の良さを強調する。


一般的な箱定期(左)よりも必要保障額が小さくなる(右、オレンジ)ことで、その分だけ保険料も安くなる。簡単に保障額が減額できるライフネット生命の保険だからこそこれが実現できた

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