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スマホ失った「ファーウェイ」の新たな戦い方、日本人消費者の声取り入れヒット産む浦上早苗「中国式ニューエコノミー」(4/7 ページ)

ファーウェイは2020年6月のP40シリーズ以来、日本でスマートフォンをリリースできていない。企業の「顔」ともいえる商品を失い、日本の顧客における製品の価値を、より深く考えるようになったという同社が、いま日本人消費者の声取り入れ、新しい製品セグメントでヒット産んでいる。

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眼鏡部分と電子デバイス部分で分業

 オンデーズの田中修治社長も、数年前から眼鏡のデジタルデバイスに注目していた。

 田中社長は「眼鏡をデジタルデバイスにする発想は珍しくなく、一番話題になるのはVR(仮想現実)とAR(拡張現実)。だけど先を行き過ぎて、一般ユーザーは必ずしも必要がない。例えば電車に乗っているときにイヤホンを取り出すことなくスマートフォンで動画を見たいとか、日常のちょっとした煩わしさを解決するオーディオグラスの方が需要があると感じてはいた」と語る。

 音響メーカーのボーズ(Bose)が販売するサングラス型スピーカーをオンデーズの店舗に持ってきて「度付きのレンズを入れたい」と相談する客もちらほらいたそうだ。

 オンデーズは自社開発を模索し、深センの工場で試作していた。田中社長も他社の製品が出る度に購入して使ってみたが「音質やバッテリーの持ちがいまいちだったり、普段眼鏡として使うには無理だったり……。眼鏡は顔に直接つけるので、細かい違和感があると嫌になる。ほかのファッションアイテムと比べて消費者の着用感への要求が高い」とピンとくるものがなかった。

 そんな中、ファーウェイのジェントルモンスターが発売され、「突出して性能が高い。レンズ周りを当社に任せてもらえば、眼鏡として使える製品ができる」と感じたという。

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