三菱地所で起業した3人の社長 今だから話せる「本当に苦労したこと」:0→1から収益化(2/5 ページ)
三菱地所が毎年、社内で実施している「新事業提案制度」。毎年30前後の新規事業提案の中から、実際に事業化に結び付くのは2、3件程度。そんな狭き門を潜り抜けた3人は、いかにして新規事業を実現させたのか――。
新規事業のきっかけは「ゲイン」「ペイン」「キャリア」
高野 皆さん、新事業提案制度に応募して事業化されたということですが、応募した理由や、その事業に行き着いた理由を聴かせてください。
米田 SAAIの「おもいつきをカタチに」というコンセプトを体現しようと思ったのがきっかけですけど、何をアイデアの種にしようかと考えた時に、僕、趣味は自転車なんですね。歩くことじゃないんですよ(笑)。でも自転車だと「お前の趣味だろ」といわれると思って、そこは外しました。
歩き旅にしたのは、女性社員の先輩方と話をしている時に、東海道を仲間と少しずつ歩きながら踏破するという話を聞いて、繰り返し楽しめるということは、ビジネスの種にもなるかな、みたいなところからスタートさせた感じです。
中村 私はもともと新しいことにチャレンジすることが好きなので、新事業提案制度にも興味を持っていて、毎回社内告知があるたびに、いつか提案したいと思っていました。
育休中に「このまま子育てしながら復職しても絶対に仕事が回らないよな……」と感じた強いペインを、仕組みとして解決できないかというところから始まって、復職したらこれを新事業として提案しようと、目まぐるしい育児を日々乗り越えながら思っていた感じですね。
本田 30代を迎えるに当たって、どういう働き方やキャリアを積みたいか考えた時に、新規事業を提案した先輩方の働き方やチャレンジしている姿を見て、僕もチャレンジしてみたいなと思いました。
これまでのキャリアだと一つひとつディールが大きく、自分でジャッジすることがあまりなかった。案件ごとの事業規模はこれまでの経験より小さいことも多いですが、自分で数字を作って自分で管理し判断していくことをやってみたくて、この事業に飛び込みました。
なので、「ハーマンミラーってどこの国のメーカーですか?」というくらい、正直家具のことは何も知らなくて、日々勉強という感じです。
高野 面白いですね。ゲイン、ペイン、キャリアと三者三様で、きっかけはどんなことでもいいんだなということが分かりました。
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