「キャンプでアイス食べたい人!」 ドンキの冷凍・冷蔵庫のパッケージに隠された“売れる理由”:持ち運べるセカンド家電(1/4 ページ)
ドン・キホーテが3月に発売した「持ち運べる冷凍冷蔵庫」の売れ行きが好調だ。キャンプと家庭内、2つの需要をカバーしたこの商品。ヒットの背景には、ドン・キホーテならではのこだわりや強みが詰め込まれている。開発担当者に話を聞いた。
ドン・キホーテが3月に発売した「持ち運べる冷凍冷蔵庫」の売れ行きが好調だ。6月にはドン・キホーテの“生活家電”カテゴリーでの売り上げ第1位を獲得。累計販売台数は約6000台にのぼるなど、発売から約半年間で主力の製品へと成長している。
持ち運べる冷凍冷蔵庫は、冷蔵/冷凍(10度〜マイナス20度)を自在に設定できる小型の家電だ。AC電源とDC電源の双方に対応しており、コンセントだけでなく車のシガーソケットなどでも活用できる。価格は18リットルタイプが2万1780円、26リットルタイプが2万5080円。
キャンプと家庭内、2つの需要をカバー
開発を担当した柄澤喜行氏は、「売れている一つの理由はキャンプ需要です。食材を新鮮なままキャンプに持ち込むという需要があると考え、DC電源に対応したほか、大きなハンドルを付けた持ち運べるスタイルにしました」と説明する。
もう一つ、家庭での“セカンド家電”としての使い道もある。
キャンプの食材を冷やすためだけであれば、冷蔵庫のみでも十分機能するが、家庭で特に需要が多いのは冷凍庫だ。「例えばふるさと納税の返礼品には冷凍系が多くて、一時的に冷凍スペースが足りなくなることがあります。他にもコロナ禍でも増えた、コストコなどの大型店での買いだめの需要もあります。そうしたときに手ごろな価格で買える冷凍庫はすごく需要があると思いました」と柄澤氏は説明する。
「当然、冷蔵庫だけにした方が安い製品にできるのですが、冷凍・冷蔵の両対応にして、家庭内を含めた幅広い需要に対応できるようにしました」
サイズに関しても、家庭内で場所を取らずに使える18リットルと、キャンプで多くの食材を運ぶ際にも便利に使える26リットルをラインアップ。自宅の寝室や仕事部屋でも気にせず使えるように、静音性能にもこだわった。
商品名は“持ち運べる冷凍冷蔵庫”だが、持ち運ぶような利用シーンだけにこだわらず、顧客のスタイルに合わせて活用できるようにしている。
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