「キャンプでアイス食べたい人!」 ドンキの冷凍・冷蔵庫のパッケージに隠された“売れる理由”:持ち運べるセカンド家電(3/4 ページ)
ドン・キホーテが3月に発売した「持ち運べる冷凍冷蔵庫」の売れ行きが好調だ。キャンプと家庭内、2つの需要をカバーしたこの商品。ヒットの背景には、ドン・キホーテならではのこだわりや強みが詰め込まれている。開発担当者に話を聞いた。
持ち運べる冷凍冷蔵庫の化粧箱には、大きい側面の片側にはキャンプに運ぶ自動車の中のイメージ写真、もう一方には家庭内でのイメージ写真を活用。商品の強みとなる2つの利用用途を反映させている。
パッケージに記載する文言や、キャッチコピー付きの商品名は、必ず社内で専用の会議を開き、あれこれと案を出し合って決めているという。
持ち運べる冷凍冷蔵庫は、自動車内のイメージ写真には「キャンプでアイス食べたい人〜! 家のコンセントや車のシガーソケットで電源確保できてマイナス20度〜10度まで調節可能 持ち運べる冷凍冷蔵庫」、家庭内のイメージ写真には「自分専用冷蔵庫欲しい人〜! 家のコンセントや車のシガーソケットで電源確保できてマイナス20度〜10度まで調節可能 持ち運べる冷凍冷蔵庫」とキャッチコピーを付けて表記されている。
「いくつもキーワードを出して、どれが一番響くかというところを重視しながら、キャッチコピーを考えています。この商品は『冷凍食品の訴求を中心にしたい』『ふるさと納税する際にも良いことをアピールしたい』などさまざまな案が出たのですが、その中でも『キャンプにアイスを持っていける』と言われたら、すごくこの商品が気になるだろうな、と考え採用しました」
確かに、この商品の強みを伝えながらキャンプでの活用をイメージするために、通常は難しい「キャンプでアイス」というシチュエーションを説明するのは合理的だろう。
さらに柄澤氏は「展示方法も工夫しています。しっかり冷凍できる点を強く打ち出したいので、冷凍モードで通電して、中身が凍るほど冷やせることを体験してもらえるようにしています」と説明。陳列された商品を見るだけで、優れた機能が分かるように展示する工夫に余念がない。
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