1時間で40本 ファミマの飲料補充ロボがゆっくり仕事をしている理由:全国300店舗に拡大予定(1/4 ページ)
ファミリーマートは飲料補充AIロボットの導入を強化している。ロボットは24時間に1000本、1時間に約40本飲料を補充し続けるという。もう少しスピードアップしたほうが効果的ではないのか……?
ファミリーマートを訪れた際、飲料売り場の隙間からロボットが見えた。なにやらせっせと飲料を補充しているらしい。ロボットの動きを観察してみると、想像よりゆっくりと動いているのが印象的だった。
ファミリーマートは8月から、飲料補充AIロボットを本格的に導入し始めた。飲料補充ロボット「TX SCARA」は、24時間に1000本、1時間に約40本飲料を補充し続けるという。もう少しスピードアップしたほうが効果的ではないのか?
同社執行役員 開発推進室長兼ライン・法人室長の狩野智宏氏に、導入の経緯や目的を聞いた。
「TX SCARA」にできること
ファミリーマートは、ロボットベンチャーのTelexistence(東京都中央区)が開発したAIロボット「TX SCARA」と店舗作業分析システム「TX Work Analytics」の導入店舗を拡大する方針を掲げている。「TX SCARA」は、店舗従業員への作業負荷が大きい飲料補充業務を24時間行う。商品を納品後、従業員が飲料の商品棚の裏にあるプレハブ型冷蔵庫の中にある在庫棚に飲料を補充。AIロボットは在庫を陳列棚に移す作業を担う。
「TX SCARA」は事前に取り込んだデータに基づいて飲料補充を行う。販売データに加えて新商品情報や季節、販売時間などを考慮して陳列の順番、量などを定めている。そのためロボットは、どの商品がどの時間に売れるかを認識しており、売れる商品から優先して陳列することが可能になっている。
「TX SCARA」にミスや誤作動があった場合は、Telexistence内のメンテナンスチームが遠隔操作で対応する。例えば補充した飲料が倒れてしまった場合は、遠隔操作で倒れた飲料を直すことができる。
関連記事
- レジ袋の代わりに「指定ごみ袋」を販売 イオンが提案するマイバッグ以外の新しい選択肢
イオンリテールは「指定ごみ袋」をレジ袋の代替品としてばら売りしている。利用者には受け入れられたのか。 - 「品質がよくない」「普段の1.5倍の値段です」 顧客満足度No.1のスーパーで見つけた“正直すぎる”ポップの真意
「普段の1.5倍の値段です」「品質がよくない」――オーケーで見つけた正直すぎる掲示。「オネスト(正直)カード」と呼ばれているらしい。こんなに正直に商品のマイナス面を伝えて大丈夫なのだろうか? - 青森ねぶた、100万円の観覧席が完売 提供された“プレミアム”なサービスとは?
青森ねぶた祭で「1組100万円のプレミアム観覧席」を販売した。完売を記録し、購入者からもプレミアムなサービスが高く評価された。どのような特典が付いているのだろうか。 - 無印店舗ではあまり目立たなかった「泡立てネット」 なぜローソン店舗では売れたのか
ローソンは5月から、ローソン店舗での無印の販売を順次開始している。無印店舗ではあまり目立たなかった“意外な”商品の販売も好調だったという。無印を販売する狙いや売れ行きを聞いた。 - 商品をぐるりと一周する不思議なバーコード レジ打ちにかかる時間をどれだけ削減できるのか
商品のパッケージをぐるりと一周している不思議なバーコードを見つけた。ビッグ・エーが提供している「多面バーコード」だ。多面バーコードの導入で、どのような効果を得たのか。 - セコマの店内調理「ホットシェフ」 なぜ道民に愛されるのか
顧客満足度が最も高いコンビニ「セイコーマート」。道民が愛してやまないのが、店内調理の「ホットシェフ」だ。店内調理「ホットシェフ」人気の秘訣を丸谷会長に聞いた。 - 「セコマ」はなぜ、レジ袋無料を続けるのか トップが「これでよかった」と語る背景
レジ袋の有料化が当たり前になった今、無料配布を継続するコンビニがある。北海道No.1のコンビニチェーン、セイコーマートだ。丸谷会長が「これでよかった」と語る背景に迫る。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.