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ビールや水着の「キャンペーンガール」が次々と消滅 ポスターが盗まれるほど人気だったのに、なぜ?:長浜淳之介のトレンドアンテナ(2/7 ページ)
キャンペーンガールやイメージガールが減っている。かつては商品をアピールするための大きな役割を担っていた。企業が取りやめる背景とは?
ヌードの女性がワイングラスを持つポスター
広告に女性タレントを起用して商品イメージを高める手法は、古くから存在する。サントリーの前身である寿屋の「赤玉ポートワイン」(現・「赤玉スイートワイン」)でヌードの女性がワイングラスを持つポスターが登場したのは、大正11年(1922年)。これは片岡敏郎制作で、日本の広告史を変えたといわれる。2014〜15年に放送された、NHK連続テレビ小説「マッサン」でも話題になった。当作品は、ドイツの世界ポスター展で1位を獲得したほどの傑作だ。
モデルは、オペラ歌手の松島栄美子。寿屋創業者の鳥井信治郎がワイン宣伝のためにつくった「赤玉楽劇座」のプリマ・ドンナだった。このポスターのおかげで、ワインは驚異的に売れて、傾いていた業績が一気に回復したという。
企業が継続的に年間契約で選定する、キャンペーンガールは高度成長期の1960年代に始まり、70年代に確立した。
キャンペーンガール第1号は66年、資生堂がサマー化粧品の宣伝のために起用した、前田美波里といわれている。小麦色に焼けた肌に白い水着とターバン、背景の青い空と海、白い雲と砂浜が印象的な構図で、インパクトが抜群。張り出されたポスターが大量に盗まれるほどの人気を博した。このポスターにより、キャンペーンガールというと、新人タレントの水着というイメージが形成されたといえよう。
当時18歳の前田は無名に近く、キャンペーンガールをきっかけに世に出た。後にミュージカル女優のパイオニアとして活躍するようになった。
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