ビールや水着の「キャンペーンガール」が次々と消滅 ポスターが盗まれるほど人気だったのに、なぜ?:長浜淳之介のトレンドアンテナ(7/7 ページ)
キャンペーンガールやイメージガールが減っている。かつては商品をアピールするための大きな役割を担っていた。企業が取りやめる背景とは?
マス向けのPRだけでは限界
今年になってアサヒが廃止したことで、キャンペーンガールが完全に消えたビールメーカー大手4社はどうなっているのか。
ビールの年間消費量は1994年の約700万キロリットルがピークで、あとはずっと下降線をたどり、2019年には約223万キロリットルまで減った。3分の1以下だ。
その分、チューハイ(サワー)、ハイボール、発泡酒など他の酒類にシフトしているともいえるが、それだけ消費者の趣向が多様化している。ビール向けに絞ったマス向けのPRだけでは、売り上げが上がらなくなってきているのだ。
このように、企業のキャンペーンガールは、日米繊維交渉による内需拡大の要請と、沖縄振興や国内リゾート開発を背景に生まれ、ビールのドライ戦争で拡大。1990年前後のバブル期に最盛期を迎えた。そして、水着、ビールの需要減で右肩下がりに縮小。ジェンダーフリーの考え方にも後押しされ、姿を消しつつあるのが現状だ。一方で、ユニチカ、東レのように形を変えてPR活動を続ける動きもあり、時代に合った新たなキャンペーンガールの形が模索されている。
【お詫びと訂正:2022年9月23日午前5時の初出で、小林優美さんの名前が間違っておりました。お詫びして訂正いたします。】
著者プロフィール
長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)
兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。著書に『なぜ駅弁がスーパーで売れるのか?』(交通新聞社新書)など。
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