「そのPTA業務、引き受けます」 “ありそうでなかった”サービスは広まるのか:週末に「へえ」な話(1/4 ページ)
旅行会社の近畿日本ツーリストが「PTA代行サービス」を始めた。ありそうでなかったサービスは、広まるのだろうか。生みの親を取材した。
「人間関係のいざこざに巻き込まれたくない」「共働きなので忙しい。できれば参加したくない」「体質が古い。新しいことをやろうと思っても、『前例がない』と言われてしまう」――。
冒頭から不満の声を並べてみたが、いずれもPTAのことである。「そんな人ばかりじゃないよ。学校のために、子どものために、前向きにやっている人もいるよ」と思われたかもしれないが、残念ながらそうした声は少数派である。
PTAに参加したことがある男女に「PTA活動に参加したいですか?」と聞いたところ、「参加したくない(絶対に+できれば)」(82%)と答えたのは8割を超えている。
PTAに不満を感じている人は多いようだが、新たな動きも広まりつつある。強制的に参加させるのを止めて、「手挙げ方式」の学校も増えてきているようで。また「PTA=母親」といったイメージを持っている人も多いだろうが、父親がメインの「おやじの会」も広まりつつある。
とはいえ、現場からは不満の声が多い。保護者の負担が大きくて、教師の労働時間も長くなる。であれば、専門的なことは“その道のプロ”に任せてもいいのではないか。そんなニーズを受けて、「PTA業務アウトソーシングサービス」が登場した。旅行会社の近畿日本ツーリスト(以下、KNT)が8月25日にスタートしたところ、現場から「ウチもやってくれないか」「どういったサービスなのか」といった問い合わせが相次いでいるという。
「ん? 旅行会社がPTA業務を代行? ちょっと違和感あり」と思われたかもしれないが、同社は5年後、10年後を見据えて、新たな事業にチカラを入れている。これまでどんなことをしてきたのかというと、コオロギのスナック菓子をつくったり、九州ワインを販売したり。旅行事業という一本足打法から脱却するために、さまざまな事業を企んでいて、その中の1つが今回の「PTA代行」なのだ。
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