「そのPTA業務、引き受けます」 “ありそうでなかった”サービスは広まるのか:週末に「へえ」な話(2/4 ページ)
旅行会社の近畿日本ツーリストが「PTA代行サービス」を始めた。ありそうでなかったサービスは、広まるのだろうか。生みの親を取材した。
きっかけは「修学旅行」
それにしても、なぜ旅行とは遠く離れた領域で、新たな事業を始めたのか。取材したところ、きっかけは「修学旅行」がからんでいることが分かってきた。KNTは修学旅行や遠足などを受注するために、全国の学校を回っている。PTA事業を担当するメンバーも、かつては学校をよく回っていて、先生と話をする機会が多かったとのこと。
教師の働き方改革が叫ばれているのに、遅々として進んでいない。保護者も共働きが増えて、PTAに参加する時間がなかなかとれないといった話を耳にする。そんな課題を聞いているうちに「グループのリソースを使えば、ワンストップのサービスを提供できるのではないか」(担当者)と考えたそうだ。
これまでになかったサービスをイチからつくり上げることは難しい。しかし、既存のサービスを組み合わせれば、なんとかなるかもしれない。21年12月、そのようなことを考えて、チームは動き始めた。
「あれもいいかな」「これもいいかな」といった感じで、サービスの内容を練っていく。結果、5つのメニューを用意した。(1)印刷・デザイン(2)Webサイト作成(3)人材派遣(4)イベント関連(5)出張授業・学習支援――。出張事業の一部をKNTが担当しているが、そのほかはグループ会社に任せている。
準備が整って、「新サービスをやるぞー」と発表したところ、どのような反応があったのだろうか。SNS上では「PTAのあり方が大きく変わりそうだな」「面白い取り組みかもしれない。やってみる価値はある」といった前向きなコメントが並んだ。アナウンスしてから半月で、30件ほどの問い合わせがあったという。
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