ネオモバイル証券がSBI証券に統合へ スマホ証券の一角、役割終える
SBI証券とSBIネオモバイル証券は9月26日、SBI証券を存続会社とする形で経営統合すると発表した。統合予定は2023年3月13日。
SBI証券とSBIネオモバイル証券は9月26日、SBI証券を存続会社とする形で経営統合すると発表した。統合予定は2023年3月13日。
SBIネオモバイル証券はスマホ証券の先駆けとして19年4月に開業した。カルチャ・コンビニエンス・クラブ(CCC)との合弁会社として、Tポイントで1株から株式が買えることを特徴としていた。ポイント投資を主軸に据えることで、若年層の取り込みをミッションとしていた。FXなどのサービスも開始し、21年6月には60万口座に達するなど、順調に規模も拡大していった。
一方で、SBI証券側でも、TポイントおよびPonaポイント、dポイント、Vポイントなど複数のポイントに対応。さらに、投信のクレカ積立をスタートさせ、SBI証券側でも若年層の獲得が順調に進むようになった。
若年層獲得のためにサービスを絞り込んで先行スタートしたSBIネオモバイル証券だが、SBI証券がマルチポイント化、クレカ積立などをスタートして若年層にリーチできるようになる中、その役割を終えたともいえる。
そして、「資産所得倍増計画」の中で言及され、見直しが進み重要度を増すNISA制度が決定打となった。SBIネオモバイル証券ではNISAも投資信託も提供していない。各種機能の追加よりも、SBI証券への統合が選択肢として選ばれた。
なお20年11月には、三井住友フィナンシャルグループ(SMBCグループ)がSBIネオモバイル証券に20%の出資を行っている。ただし、今回の統合発表に至るまでの間に、CCCおよびSMBCグループは出資を引き上げており、現在はSBIファイナンシャルサービシーズの100%子会社となっている。
今後、10月7日には新規口座の受付を停止。23年3月の合併までは、カバードワラントのネオWを除き、これまで同様のサービスを継続して提供する。合併後も、SBI証券内で「ネオモバコース」として継続の予定だが、サービスの詳細は決まり次第公表する。同一証券会社内では特定口座は1つしか持てないため、SBI証券とSBIネオモバイル証券の両方に口座を持つユーザーについては統合の方向で調整を検討する模様だ。
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