衝撃の「子どもIC運賃50円」開始から半年 小田急電鉄に手応えを聞いた:子育て応援車も導入(1/3 ページ)
小田急電鉄は3月12日から、小田急線の小児IC運賃を1乗車当たり50円にした。子育て世代を応援したいという趣旨だが、どのような変化が起きているのか。
小田急電鉄は3月12日のダイヤ変更日から、小児IC運賃を1乗車当たり50円にした。また、子ども連れの乗客を温かく見守ってほしいとの願いから「子育て応援車」の運用も開始した。全区間一律50円という珍しさから発表当時には大きな話題となったが、現状はどのようになっているのか。担当者に話を聞いた。
同社は、子育てしやすい沿線の形成を目指している。背景にあるのは人口減社会の到来で、乗客が長期的に減っていくという危機感だ。また、2018年の複々線化に伴い輸送サービスの改善が図られたが、将来も持続的に成長していくための新しい施策が求められていた。
そこで、21年11月に小田急沿線における子育て応援ポリシー「こどもの笑顔は未来を変える。Odakyu パートナー宣言」を策定。抜本的な施策として、50円運賃を打ち出した。
50円運賃に関しては、ある調査を実施している。小田急電鉄は19〜21年に「こども100円乗り放題デー」というイベントを実施している。小田急線での移動を楽しんでもらうことで、沿線の魅力に気付いてもらうのが狙いだ。
このイベントに合わせ、同社が乗り放題デーの参加者にアンケート調査を実施したところ、鉄道利用が増えたことが確認できた。子どもの料金を下げることで、大人(両親や祖父母など)も一緒に利用していたのだ。また、副次的に、沿線の商業施設などで買い物も楽しむ姿も多く見られた。
このようなことがあり、50円運賃を導入することで、短期的には鉄道利用者増、長期的には子育てしやすい沿線形成の一助になると判断した。
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