KADOKAWA夏野社長が謝罪 会長起訴「贈賄と評価されうる行為に間違いない」:KADOKAWAが記者会見
出版大手KADOKAWAの会長、角川歴彦被告が10月4日、東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件で東京地検特捜部に贈賄罪で起訴されたことを受け、同社は5日午後5時から、夏野剛社長らが都内で記者会見を開催。夏野氏は「関係する全ての皆さんの当社への信頼を裏切ることになり、深くおわび申し上げる」と謝罪した。社内調査チームの弁護士は、贈賄の罪に問われた支払いについて「贈賄行為と評価されうる疑わしい行為であったことには間違いない」と説明した。
出版大手KADOKAWAの会長、角川歴彦被告が10月4日、東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件で東京地検特捜部に贈賄罪で起訴されたことを受け、同社は5日午後5時から、夏野剛社長らが都内で記者会見を開催。夏野氏は「関係する全ての皆さんの当社への信頼を裏切ることになり、深くおわび申し上げる」と謝罪した。社内調査チームの弁護士は、贈賄の罪に問われた支払いについて「贈賄行為と評価されうる疑わしい行為であったことには間違いない」と説明した。
夏野氏は会見冒頭、「読者やユーザー、作家、クリエイター、取引先、株主、投資家、関係する全ての皆さんの当社への信頼を裏切ることになり、多大なるご心配とご迷惑をおかけしていることを深くおわび申し上げる」と話し、頭を下げた。
また、起訴された角川被告から会長職辞任の申し出があったとして、5日の取締役会で辞任を承認したことも発表した。
夏野氏によると、KADOKAWAは、8月上旬に関係者が東京地検特捜部から任意の事情聴取を受けたことから、8月12日に事実関係を調べるために、外部弁護士らで作る社内調査チームを発足。関係者約20人に数十時間のヒアリングを行い、社内メールや書類の精査を進めてきたという。
調査チームの國廣正弁護士は会見で「チームは経営陣から独立した中立公正な立場で調査することを目的とし、刑事弁護活動が目的ではない」とした上で、「当社は東京五輪の大会組織委の元理事側からの要請に基づいて、必要性や合理性に疑義があるコンサルティング契約を2019年6月17日に締結し、7665万円を分割して支払っていた事実はある」と説明。
さらに、「これが贈賄に該当する可能性があると法務部門から事前に指摘されたが、締結され実行されている事実も存在する」と言及した。
その上で「この支払いは、贈賄行為と評価されうる疑わしい行為であったことには間違いなく、最終的に刑法犯になるかは裁判所が決めることではあるが、コンプライアンス上、コーポレートガバナンス上、極めて問題の大きいものであったと判断する」と説明した。
夏野氏は、賄賂にあたる可能性が法務部から指摘されていた事実を知っていたかとの質問に「当時はKADOKAWAの社長でも取締役でもなかったので、そういう報告や検討がされていたことを存じ上げていなかった」と説明。賄賂にあたるとの指摘があるにも関わらず契約に至った理由を問われると「契約を進めないといけない何らかの必然性を担当者あるいは決裁者が感じたと推測する」と説明した。
汚職事件を巡っては、大会組織委員会元理事の高橋治之被告らに約6900万円の賄賂を提供したとして、東京地検特捜部が9月14日、角川前会長を贈賄容疑で逮捕、10月4日に贈賄罪で起訴している。
角川前会長は資金提供の違法性については一貫して否認しているとされ、事件の全容解明は今後、法廷に舞台が移る。
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