2022年上半期の「物価高倒産」、過去最多 前年同期の倍以上に 影響が大きかった業種は?:9月も3カ月連続で最多件数を更新
帝国データバンクが、「物価高倒産」企業の集計分析結果を発表した。その結果、2022年上半期は、過去最多だった前年同期を倍以上上回る結果となった。直近の9月も35件と、3カ月連続で月間件数の最多を更新している。
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帝国データバンクは、法的整理(倒産)となった企業のうち、原油や燃料、原材料などの「仕入れ価格上昇」、取引先からの値下げ圧力などで価格転嫁できなかった「値上げ難」などにより、収益が維持できずに倒産した企業を「物価高倒産」と定義し、集計分析を行った。その結果、調査開始の2018年以降最多だった前年同期から倍以上に増加していることが分かった。
22年度上半期の物価高倒産は159件で、過去最多を記録した前年の同期(75件)から大きく増加した。22年9月は35件で、月間最多だった8月(34件)を上回り、3カ月連続での最多更新となった。同社は、実際にはさらに多方面に物価高の影響が広がっている可能性が高いと推測する。
22年度上半期に発生した物価高倒産159件を業種別に見ると、トップは全体の約25%を占める「建設業」(40件)で、「運輸・通信業」(37件)、「製造業」(29件)、「卸売業」(24件)と続いた。このうち9月は最多が「建設業」(10件)で、次いで「製造業」(9件)、「卸売業」(6件)、「小売業」(3件)という結果だった。
業種詳細別で最も多かったのが「運輸業」(37件)で、「総合工事」(24件)、「飲食料品製造」(13件)、「職別工事」(10件)、「飲食料品卸売」(8件)と続いた。運輸、建設、食品関連の3業種が上位を占める結果となった。
9月の全国企業倒産件数は5カ月連続での増加となり、中小・零細企業の多くは、コロナ禍で経営体力を消耗している状態が続いている。総合経済対策による物価高への効果がすぐに表れるかは不透明な部分も多く、同社は、企業倒産が相次ぐ年末にかけてさらに増加する可能性があると指摘している。
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