「Go To トラベル」で2億円超の不適切な支給が発覚 雑なマニュアル、穴だらけの“二重チェック”が原因か:会計検査院が指摘(1/2 ページ)
会計検査院が10月12日、Go To トラベルのキャンセル料補填を巡って不適切な支給が2億円超あったと指摘した。背景には、人員不足や雑なマニュアル、穴だらけの二重チェックがあったとしている。
会計検査院は10月12日、「Go To トラベル事業における取消料対応費用等の支払について」を発表した。新型コロナウイルスの感染再拡大に伴い、キャンペーンの一時停止があった際に観光庁から旅行事業者などへ支払われた費用に関して、不適切な支給が2億円超あったとしている。
Go To トラベル事業は、旅行者に対する給付金の給付などを通し、新型コロナウイルスの感染拡大でへこんだ観光需要の喚起を目的とした国土交通省(観光庁)所管のキャンペーン。2020年7月22日以降の旅行を対象に、日帰り旅行に対して最大7000円、宿泊には1泊最大1万4000円、また地域共通クーポンとして1泊当たり旅行代金の15%などを補助していた。
キャンペーンの実施に際して、観光庁は旅行業者などで構成されるツーリズム産業共同提案体(以下、「事務局」)の代表者である、一般社団法人日本旅行業協会と委託契約を締結。キャンペーンに参加する旅行事業者などの募集や給付金の執行などを事務局に委託する形で運営を行った。
コロナ感染再拡大で一時停止に
同キャンペーンは新型コロナウイルスの感染再拡大に伴い、20年11月24日以降、一時停止。これに伴い、観光庁は旅行事業者などに対して、予約のキャンセルが発生した際、旅行者に対してキャンセル料を収受しないことを求めた。
一方で、観光庁の指示の下、事務局ではキャンセル対応費用の支払いに関して「一時停止等の措置に係る旅行取消による取消料対応取扱要領」(以下、要領)を策定。これを基に、観光庁が事務局を経由して旅行事業者などに、キャンセル対応費用などを支払った。費用は、一定の要件を満たす予約について、1人1泊につき上限1万4000円とし、キャンセルとなった代金の35%(年末年始の全国にかかる旅行は50%)。また、20年11月17日以降に予約された8泊以上の旅行商品は、7泊分までが対象となっていた。
上記キャンセル対応費用とは別に、キャンセル対応費用の申請1件につき、「同費用の10%相当額」または「4000円」のいずれか小さい金額も事務費用として支払った。その結果、21年度末までに、キャンセル対応費用を約1225億円、事務費用を約96億円の約1321億円を支払っている。
今回、会計検査院は21年度末までに旅行事業者などへキャンセル対応費用の支払いがあった約405万件を対象に、支払いの適切性や、観光庁が事務局に対して適切な支払いとなるために必要な指示を行っていたかなどを検査。その結果、約2億1739億円の不適切な支給があったとしている。
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