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“不毛の地”を開拓? イーロン・マスクがTwitter買収で考えていること:世界を読み解くニュース・サロン(1/4 ページ)
イーロン・マスク氏のTwitter買収にまつわる言動に再び注目が集まっている。買収は頓挫したかと思われたが、マスク氏の狙いはどこにあるのか。
4月4日に米証券取引委員会(SEC)の大量保有報告書で、米電気自動車大手テスラのイーロン・マスクCEOが、米ソーシャルメディア大手「Twitter(ツイッター)」を買収することが明らかになってから、もう半年も経った。
その後、Twitterのbotアカウント(不正またはスパムアカウントなど)の数は同社が発表している数字よりも多く、ユーザー数を多く見積もっているのではないかと批判して裁判に発展、ツイッター社の買収は頓挫するかもしれない話にもなっていた。
だがマスク氏は10月4日になって、当初の合意通りに買収を行うと再び提案して大きなニュースになっている。28日までに買収を完了すれば裁判は終了し、買収頓挫で同氏が支払わなければならない10億ドルの罰金を避けられる。
相変わらず予測不能のマスク氏の本心は分からない。欧米メディアも彼の行動に振り回されている感は否めない。話題を作っておくこと自体が同氏のそもそもの狙いかもしれないが、人気SNSの買収騒ぎだけに、彼の言動は引き続き注目されるだろう。
マスク氏のツイッター買収劇はこれからまだ波乱がありそうだが、同氏の最近の発言の中で、興味深いものがあった。「ツイッターの買収で、すべてのアプリとなる『X』を作る促進剤となる」とツイートしていて、その中で「すべてのアプリ(スーパーアプリ)」という言葉を使っていることだ。
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