“不毛の地”を開拓? イーロン・マスクがTwitter買収で考えていること:世界を読み解くニュース・サロン(2/4 ページ)
イーロン・マスク氏のTwitter買収にまつわる言動に再び注目が集まっている。買収は頓挫したかと思われたが、マスク氏の狙いはどこにあるのか。
スーパーアプリとは
スーパーアプリとは一体何なのか。マスク氏は、どうもTwitterをスーパーアプリにしたいようだが、その真意を探ってみたいと思う。
実のところ、マスク氏はこの「すべてのアプリ」の詳細はきちんと語ってはいない。だが海外のメディアでは過去の発言などからその真意は、「スーパーアプリ」という意味だと捉えられている。
スーパーアプリとは、例えば、中国IT大手テンセントが提供している「WeChat(微信)」のようなアプリを指す。1つのアプリで、スマホで行うさまざまなサービスを利用できてしまうものだ。友人と無料でメッセージのやりとりをしながら、同じアプリで銀行振込をしたり、食事のデリバリーをオーダーしたり、タクシーを呼んだりできる。マスク氏は6月に、「WeChat」の便利さを称賛したことがあり、「Twitterをそういうアプリに近づければ、大成功だと言える」とも語っている。
5月にはポッドキャストで、「中国にいたら、基本的に、WeChatに依存して暮らすような感じで――そこにすべてある。TwitterとPayPalと、そのほかのサービスを足したようものだ。素晴らしいインタフェースに集約されている」とも語っている。もともとマスク氏はPayPalの創業者の1人であり、そうした利便性に対する意識は高いのだろう。
実態をつかませないような発言の揺らぎで、その真意が分からないようにしてきたようにも思えるマスク氏だが、こうした発言を集めてみると、ツイッター社を買収した後の大きなビジョンが垣間見える。
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