職場の「いつも偉そうな女性」はなぜ生まれるのか 多くのお局さまに共通している心理を専門家が解説:働く女の“いらいら”(5/5 ページ)
本連載は産業カウンセラーの川村佳子氏働く女性ならではの“お悩み”を解説するシリーズ。第1回目は、「いつも偉そうと言われてしまう40代女性」の心情、原因について掘り下げます。
「偉そうな女性」にならないように日々実践すべきこと
明日は我が身と思いながら、日々実践すべきことを最後にお伝えします。それは、「自分を大切にすること」に尽きます。私たちはよく、「自分を大切にしてください」という言葉を聞きますが、私はとても曖昧な表現だなあと感じています。自分を大切にするとは、自分の気持ちや感じ方、自分が本当に大事だと思うこと(他人や世間、家族が大事だと思うこととは違う場合も多い)を自分なりに考え抜き、尊重する生き方にシフトしていくことではないかと思っています。
例えば、何かとてもショックなことがあった時、友人や周囲の人たちはあなたを励まし、ショックなことは早く忘れるべきだとあなたを無理やり外に連れ出そうとしたとします。でもあなたは、自分にとっては1人でいることこそが、立ち直るための最善の方法だと知っています。そんな時、自分の気持ちを尊重することはできるでしょうか? また、あなたの家族が「理不尽なことをされた時は、とにかく我慢しなさい」と教えたとします。しかし、あなた自身は理不尽なことをされた時、どんな感じ方をするのでしょうか? 本当は、自己主張したいと思っているかもしれません。
このように、自分が本当に大事だと思うことを自分なりに考え抜くことをしていない方も大勢いるのではないでしょうか。周囲に合わせることはもちろん必要なことですが、その前に、自分が本当に大事だと思うことを自分なりに考え抜くことの方が、もっと大切です。これは、わがままではありません。主体的に、自分の人生を生きることを意味します。
皆さんは、どれくらいできていますでしょうか? 私も働く女性の1人として、日々実践しています。自分を大切にできれば、他者をも大切にすることができる。これこそが、自己愛的な女性像とは縁遠くなる最良の道と思います。一緒に、実践しましょう!
川村佳子(かわむら・けいこ)
北海道生まれ。一般社団法人日本産業カウンセラー協会認定「産業カウンセラー」。日本人間性心理学会所属。上智大学グリーフケア研究所所属。防衛省、国土交通省、財務省をはじめ、国立機関や一般企業にて産業カウンセラーとして臨床経験を積み、現在航空自衛隊外部カウンセラー。幼少期に母が他界。亡母が闘病中に書き記していた日記を見つけ、職場での人間関係の悩みやストレスを驚くほど抱えていたことを知る。さらに、日本で初めてカウンセラー制度を導入した機関にて母が勤めていたことをきっかけに、職場のストレスや人間関係の悩みを抱えている方たちの力になりたいと強く思い、産業カウンセラーを志す。また、死別の苦しみや痛みをケアする「グリーフケア」の普及啓発にも積極的に取り組む。心理臨床オフィス「サクラメント函館東京カウンセリングオフィス」代表。著書に『嫉妬のお作法』(フォレスト出版)がある。
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