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激辛ファンの“胃袋”をつかんだ「しあわせの激辛」、試作150回の裏話を聞いた:あの会社のこの商品(4/5 ページ)
激辛料理は好き嫌いがはっきり分かれるが、ファンは辛さだけではなくおいしさも求めている。そんな激辛ファンに辛さ、おいしさの両面で満足してもらうべく開発されたのが、ハウス食品の「しあわせの激辛」。開発の経緯などを取材した。
ボロネーゼを激辛にした理由
22年に入りアイテムを追加。6月から3カ月連続で新商品をリリースした。
6月にリリースしたのはパスタソースの辛ボロネーゼ。ボロネーゼを激辛に仕上げたものだ。辛さは2.95KM。
当初はアラビアータで考えていたが、激辛ファンからの声からボロネーゼに変更した。
「アラビアータを提案したところ、激辛にすると旨味が弱く辛さに耐えられないことから、肉を使って動物性の旨味を担保した上で辛くしたほうがいい、という意見をいただきました。あまり聞きませんが、『旨さと辛さの両立』のために、激辛のボロネーゼをつくることにしました」(楠本さん)
7月にリリースしたのは炒飯の素。「キムチ炒飯はあっても真っ赤な見た目の激辛炒飯は意外とないので激辛ファンに提案してみたところ、『食べてみたい』という声があがりました」と楠本さんは話す。辛さは3.12KM。
炒飯の素は粉末と仕上げオイル。原料を少しずつ変えるなどして旨さと辛さのベストバランスを追求していった結果、試作が200回を超えた。
8月にリリースしたのは麻辣鍋の素。辛さとしびれが特徴の鍋のスープを激辛に仕立てた。辛さは2.81KM。
激辛ファンの間でニーズが高いことが分かり、企画・開発を進めた。麻(しびれ)と辣(辛み)のどちらもしっかり感じられるよう、唐辛子や花椒、スターアニス(八角)といった原料の配合に苦心したという。
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