渋谷ハロウィーンの「地元にカネが落ちない問題」、どう解決すべきか:スピン経済の歩き方(1/7 ページ)
3年ぶりに行動規制のない「渋谷ハロウィーン」が終わった。多くの若者が歩いていたので、「渋谷で営業をしている店はもうかったはず」と思われたかもしれないが、実態はどうなのか。お祭りムードに水を差すようで、心苦しいが……。
3年ぶりに行動規制のない「渋谷ハロウィーン」が無事終わった。
今回はインバウド解禁のタイミングに重なったことで、外国人観光客の姿も目立ったという。毎年、渋谷ハロウィーンを「荒れる成人式」と同じく「数字の取れる衝撃映像」として大ハシャギで取材する、ワイドショーも多くの外国人観光客にマイクに向けて、こんなコメントを切り取っている。
「世界で一番クレイジーなハロウィーンだ」
「渋谷ハロウィーンは海外でも有名なので、一度は来てみたかった」
こういう風に持ち上げられると、すぐに調子に乗ってしまうのが、日本人の悲しい性(さが)だ。「世界が渋谷のハロウィーンを称賛!」「日本のコスプレクオリティーの高さに外国人が感動!」なんて感じで、気の早い人は「渋谷ハロウィーンをインバウンド復活の起爆剤に」なんて皮算用する人もいるかもしれない。
ただ、そんなお祭りムードに水を差すようで大変心苦しいが、徐々に外国人観光客が増えていく中で、渋谷ハロウィーンを今の形で継続させることはかなり危険だ。「観光公害」をえげつないことにして渋谷を阿鼻叫喚の地獄絵図にしてしまうので、絶対にやめたほうがいい。
渋谷駅は単なる「若者の街」ではなく、東京を代表するターミナル駅だ。いくつもの電車が乗り入れて毎日、200万人以上の通勤者や生活者が行き交う、世界トップレベルで混雑する駅だ。
そこに若者だけではなく、外国人までも大挙して押し寄せるようになれば、韓国・イテウォン(梨泰院)のような事件が起きるのも時間の問題だ。これは「マナー」とか「節度」という精神論でどうにかなるものではない。
また、もしそういう事件が発生した場合、渋谷が大パニックに陥るだけではなく、ターミナル駅だけに東京の都市機能まで麻痺(まひ)してしまう。
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