渋谷ハロウィーンの「地元にカネが落ちない問題」、どう解決すべきか:スピン経済の歩き方(2/7 ページ)
3年ぶりに行動規制のない「渋谷ハロウィーン」が終わった。多くの若者が歩いていたので、「渋谷で営業をしている店はもうかったはず」と思われたかもしれないが、実態はどうなのか。お祭りムードに水を差すようで、心苦しいが……。
渋谷ハロウィーンの不都合な真実
そういうリスクに加えて、観光公害がひどくなればなるほど、以前から渋谷駅前で商売をしている人々などから指摘されている「渋谷ハロウィーンの不都合な真実」がいよいよ見過ごせなくなってくるだろう。
それは一言で言ってしまうと、「路上イベントなので地域への迷惑がデカいわりに経済効果がない」という問題だ。
ご存じない方もいらっしゃると思うが、実はメディアが「渋谷ハロウィーン」として報じているイベントは現実に存在しない。商業施設や商店街がそれぞれ仮装姿を撮影したコンテストなどを催していたり、クラブがハロウィーンイベントを実施したりしているが、駅前やセンター街に仮装して集まろうなんて呼びかけている「主催者」はいない。
ネット上には、渋谷区が主催していると勘違いしている人も多いが、渋谷区は安全面を考慮して、終電で帰るように注意喚起していて、今年は韓国の事故を受けて、仮装目的の人は、渋谷に来ることを控えてほしいと呼びかけていたほどだ。
このような自然発生的に人が群がってくるイベントなので、ルールもなければメインの会場もない。じゃあ、若者や観光客はどうするのかというと、「路上」を徘徊(はいかい)している。センター街などをブラブラ歩きながらクオリティーの高い仮装をしている人を見物して喜んだり、自分のコスプレを見せびらかせたり、ノリのいい人たちと写真を撮ったりして楽しく過ごす。見方によっては「路上」が「メイン会場」と言ってもいい。
禁止されてもいまだに「路上飲み」が多いことや、ゴミが散乱していることがその証左だ。最近は若者たちもゴミ集めに協力しているが、この後始末に渋谷区や地域の商店街に毎年重い負担がかかっている。今年でさえそんな状態なのに、さらに外国人観光客が大挙して押し寄せて、同様に路上の飲みやゴミのポイ捨てをしたらもう目も当てられない。
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