渋谷ハロウィーンの「地元にカネが落ちない問題」、どう解決すべきか:スピン経済の歩き方(3/7 ページ)
3年ぶりに行動規制のない「渋谷ハロウィーン」が終わった。多くの若者が歩いていたので、「渋谷で営業をしている店はもうかったはず」と思われたかもしれないが、実態はどうなのか。お祭りムードに水を差すようで、心苦しいが……。
大多数の店は「経済効果がない」
という話をすると、「確かに一部のマナーの悪い連中もいるけれど、経済効果もあるじゃないか」というような反論をする人もいるが、その経済効果がないというのが実は渋谷ハロウィーンの最大の問題だ。
先ほども指摘したように、渋谷ハロウィーンという路上イベントを目当てに渋谷にやって来た若者や観光客は基本的に街をブラつく。だから、飲食店には入らない。店の中で2時間も飲み食いをしていたら、「メイン会場」で面白い出来事が起きているのを見逃すかもしれないし、ノリのいい仮装で街を練り歩く人たちと出会って仲良くなれない。
これはつまり、仮装グッズを売っているドン・キホーテや夜通しハロウィーンイベントをやるクラブなどをのぞいて、渋谷駅の大多数の商店にとってこの路上イベントは「百害あって一利なし」ということだ。
実際、ライブドアニュースが2019年6月、渋谷センター商店街振興組合理事長(当時)にハロウィーンの経済効果について質問したところ、当日のセンター街の売り上げは普段より大きく下がるとして、「あんなのマイナス経済効果だよ」と一蹴されている。
この状況は、外国人観光客が大挙して押し寄せても何も変わらない。いや、むしろ悪化するだろう。
彼らがこの地を訪れる目的は、あくまで「仮装した日本人の路上バカ騒ぎを見物する」ことなので、センター街でショッピングもしなければ、飲食店なども利用しない。カオスな街をブラつきながら、「不思議な日本のハロウィーン」を見物して写真を撮るだけだ。その中には乱痴気騒ぎする日本人の真似をして、路上飲みやゴミのポイ捨てをする人もいるだろう。
つまり、渋谷ハロウィーン目当てに多くの外国人観光客が押し寄せたとしても、地域への経済効果は限定的であって、むしろ一時期の京都のように観光公害でゴミや治安の問題が深刻化して結局、マイナスのほうが大きくなってしまう恐れがあるのだ。
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