渋谷ハロウィーンの「地元にカネが落ちない問題」、どう解決すべきか:スピン経済の歩き方(6/7 ページ)
3年ぶりに行動規制のない「渋谷ハロウィーン」が終わった。多くの若者が歩いていたので、「渋谷で営業をしている店はもうかったはず」と思われたかもしれないが、実態はどうなのか。お祭りムードに水を差すようで、心苦しいが……。
「観光客」と「地元住民」の流れ
このように「観光客」と「地元住民」の流れをきれいに棲(す)み分けることを「ゾーニング」と呼ぶ。世界の観光業ではゾーニングは、地元の人への観光公害を軽減しつつ、なおかつ観光客からはガッツリとカネを落としてもらう効果が期待できる。
筆者はこのゾーニングこそが、渋谷ハロウィーンの「見物無料の路上イベントで地域にカネが落ちない」問題を解消する方法なのではないかと思っている。
今、問題なのは渋谷駅前やセンター街という生活者もよく使うエリアを、若者や観光客が占拠してしまっていることだ。だから、まずリオ・デジャネイロでいうところのサンボードロモをつくってこの人の流れを分けるのだ。
「そんな簡単に人の流れは変えられないだろ」と否定的な方もいるだろうが、そこで重要になってくるのが「賞金」だ。なぜリオのカーニバルがあれほど盛り上がるのかというと、プロ意識の高いトップチームが集結するからだ。では、なぜ彼らは毎年、参加するのかというと、高額な賞金があるからだ。
目玉が飛び出るくらいの高額な賞金を掲げた「ハロウィーン仮装コンテスト」を渋谷駅から離れたところで開催するのだ。
真剣に仮装している人や、仮装を見物したい人は当然、この仮装界の東京ガールズコレクションのような会場へと流れるはずだ。外国人観光客もそちらがスゴいとなれば、入場料を払ってでも見物したいはずだ。
もちろん、それでも渋谷駅周辺で酒を飲みながらバカ騒ぎをしたい人もいるだろう。しかし、このゾーニングによって「仮装マニア」や「観光客」の絶対数はかなり減るはずなので、渋谷駅周辺の観光公害はかなり解消されるのではないか。
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