日本初進出の「ヒルトン・ガーデン・イン」はどんなホテルなのか 想定以上の予約数:戦略を聞いた(5/5 ページ)
ヒルトンから、日本初進出のブランドとして「ヒルトン・ガーデン・イン京都四条烏丸」が11月16日にオープンする。ヒルトンよりもカジュアルで親しみやすく、手ごろな価格帯が特徴だ。実際どんなホテルなのか。プレス発表会で、その戦略を聞いた。
年内予約は、ほぼ国内。想定以上の反響
インバウンド市場において、京都は期待値が高いマーケットの一つ。「ヒルトン・ガーデン・イン京都四条烏丸」でも訪日外国人客の利用を見込んでいるが、現状の予約は「ほぼ国内」からだという。
「年内の予約においては、ほぼ国内旅行需要ですが、当初の予想より強い反響があります。2023年3月ごろの予約については、海外からの問い合わせもきています。旅行に行きやすい国内の雰囲気が出てきたこと、全国旅行支援で旅行意欲が促進されていること、さらに紅葉のタイミングが重なったことが反響の理由だと思います」(伊藤氏)
今回のプレス発表会の前後に、奈良、京都、三重の観光スポットを訪問したところ、チラホラと訪日外国人客を見かけた。特に京都は目立っており、紅葉が本格化すれば、さらに増えるに違いない。一方、奈良は修学旅行生であふれ、旅行のにぎわいが復活している様子だった。
旅行重要は戻りつつあるが、閉店したレストランや再開のメドが立たないショーなどのエンターテインメントが多くあると聞く。現場の人手不足や混乱も指摘される。受け入れ体制が完全に整っていないなかで、以前と変わらぬ品質の旅行体験を届けられるのか。
「ホテルで働きたいシェフが見つからないなど、当社にとっても労働力不足は最大の課題で、コロナ禍でより深刻になっています。しかし、どの業界にもある問題であり、適応していくしかありません。テクノロジーを使ってこれまでより少ない人数で現場を回すなど、労働集約型にならないよう工夫しています」(ソーパー氏)
できたての「ヒルトン・ガーデン・イン京都四条烏丸」は、グリーンをメインカラーとした京都らしさを感じるデザイン、手が届きやすい価格帯と適度な非日常感が魅力的だった。コロナ禍の出口はまだ見えていないが、インバウンド市場が完全復活した折には、訪日外国人客であふれるホテルになるかもしれない。
写真提供:ヒルトン・ガーデン・イン京都四条烏丸
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