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7.8兆円の予算状況を可視化──東京都がダッシュボード公開 “伝わらない広報”からの脱却、全国に広がるか都職員が内製化(3/3 ページ)

東京都財務局が外部の分析ツールを活用し、予算状況や財政収支などを可視化する「都財政の見える化ボード」を公式Webサイトで公開中。2021年1月の事業開始から間もなく丸2年を迎えようとしているが、作成に踏み切った経緯などを取材した。

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「見える化」進める都庁 都内区市町村との連携に課題か

 間もなく開始から2年が経過するが、課題も見えてきた。行政特有の縦割りと、区市町村事業との連携だ。都庁内では財務局の取り組みと同様に、「『未来の東京』戦略 政策ダッシュボード」(都政策企画局)、全庁横断的に取り組み、ペーパレスの進捗状況などを示す「シン・トセイ ダッシュボード」など類似事例はあるものの、全局が可視化に取り組めている状況ではない。

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『未来の東京』戦略 政策ダッシュボード
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シン・トセイ ダッシュボード

 都内の区市町村とも、行政区分が異なることから連携が進んでいない。都庁内外との連携が進めば、利便性はさらに増すはずだ。

 都財務局財政課は「今後も引き続き、適切に情報が伝わるよう工夫をしていきたい」と意気込む。他自治体に対しては「可視化に取り組みたいと思いつつ、踏み切れていない自治体もあるのではないか。Power BIは便利なツール。使い方はそこまで難しくないので、是非使ってほしい。財務局に問い合わせてくれれば、使い方などをレクチャーできる」と呼び掛けた。

 東京都はコロナ禍初期で、元ヤフー社長の宮坂学副知事指揮の下、「東京都新型コロナウイルス感染症対策サイト」を“爆速開発”。ソースコード共有サイト「GitHub」にも公開し、他自治体でも利用できるようにした点が評価され、最終的に、日本デザイン振興会の20年度グッドデザイン金賞を受賞した。

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「東京都新型コロナウイルス感染症対策サイト」

 一般的に行政の発表は「分かりにくい」というイメージが先行しがちだ。税金の使い道を可視化する動きが他自治体にも波及し、伝わらない広報から脱却を図れるか。

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東京都庁(出典:東京都公式Webサイト)
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