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「ESG経営はどうでもいい」と考えるスタートアップを待ち受ける、5つの“落とし穴”:もはや「ひとごと」ではない(1/2 ページ)
今まで「ESG経営」は、大企業の問題として捉えられてきたように思えます。近年、脱炭素社会の実現に向けた国際的な議論や柔軟な働き方の推進など、から中小企業やスタートアップでも重要性が増しています。「ESG経営」を軽視する企業を待ち受ける大きな5つの落とし穴について解説します。
近年、ESG経営の戦略的な意義や実践方法についてさまざまな場面で語られていますが、これまでは多くの場合において大企業の問題として捉えられてきたように思います。
しかし、脱炭素社会の実現に向けた国際的な議論や枠組みの進展、コロナ禍で重要性が増した働き方の柔軟性やダイバーシティの促進など人的資本への注目、非財務情報の国際的な開示基準の策定など、ESGに関する動きが複合的に加速しました。
さらに世界的にESG投資を推進する潮流もあることから、いまやESG経営は大企業だけでなく、中小企業やスタートアップの重要課題として広がっていくことは長期的かつ不可逆的な流れと言えます。組織の規模にかかわらず、ESG経営の巧拙が業績を左右するようになるのです。
具体的にどういった局面において中小企業・スタートアップの「ESG経営が評価される」のか? シード期のスタートアップを対象に投資やESG経営支援を行うジェネシア・ベンチャーズ所属の筆者が、ESG経営の評価を「5つの市場からの圧力」という切り口で考察していきます。
(1)資本市場:資金調達、IPO、M&Aに支障
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