タピオカ容器やたばこを捨てないで! 自販機横の新型「リサイクルボックス」が開発された背景:3割が異物(1/4 ページ)
自販機の横にある「リサイクルボックス」。ごみ箱だと勘違いする人が多い。異物混入を防ぐため、業界団体が新型のリサイクルボックスを開発した。
自動販売機の横に置いてある「リサイクルボックス」。本来は、飲み終わった缶、ビン、ペットボトルを回収し、リサイクルするためのものなのに、家庭用ごみなどを捨てる人が後を絶たない。そこで、清涼飲料水の業界団体らが新型のリサイクルボックスを開発した。
これまでは、自販機を設置・管理する企業が独自にリサイクルボックスを購入し、設置するというのが一般的だった。どうして、業界団体として開発に乗り出したのか。その狙いやリサイクルを巡る背景について全国清涼飲料連合会(以下、全清飲)の石黒隆自販機部長に話を聞いた。
異物混入を防ぐさまざまな仕組み
まず、新型リサイクルボックスの特徴について説明しよう。
第1の特徴は、投入口が下向きになっていることだ。遠くから見えにくい角度や高さに設定してあるのもポイントだという。投入口が見えやすいと、遠くから「あそこにごみを入れられるぞ」と気付かれるリスクがある。そこで、近づかないと投入口がどこにあるのか分からないようにした。
また、コンビニコーヒーなどを入れるプラスチックカップが入らない口径にしている。記者が試しに某大手コンビニのカップをふたの方から入れようとすると、入らないことを確認できた。カップの底からなら途中まで入れられるのだが、やはりふたの部分で引っかかるようになっている。液体が残った状態でカップの底から入れようとすると、自分の手に液体がかかってしまう。こうした点に関しても、異物混入を防ぐ効果がある。
一般的に普及しているリサイクルボックスは、投入口が上向きになっている。これは、ペットボトルなどが入れやすいというメリットがある。しかし、気楽にごみを捨てやすくなってしまうというデメリットもあった。また、プラスチックカップなどを無理やり入れようとすると、投入口がふさがれてしまい、別の人が利用できないという課題もあった。新型リサイクルボックスの導入で、こうした問題も解決する狙いがある。
新型リサイクルボックス上ぶた部分に傾斜があるのは、ごみの置き去りを防ぐためだ。一度、ごみが上ぶたに置かれたままになると、「ここにはごみを捨てていいんだ」と勘違いした人が、次々とごみを置くようになる。また、上ぶたは前面からは簡単に開けられないようになっているのも、直接リサイクルボックスの中にごみを入れられないようにするためだ。
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