タピオカ容器やたばこを捨てないで! 自販機横の新型「リサイクルボックス」が開発された背景:3割が異物(2/4 ページ)
自販機の横にある「リサイクルボックス」。ごみ箱だと勘違いする人が多い。異物混入を防ぐため、業界団体が新型のリサイクルボックスを開発した。
特大の啓発スペース
第2の特徴は、投入口の横にある「特大啓発スペース」だ。ここには、「ごみ箱ではありません」「リサイクルBOXです」というメッセージが赤くて目立つように記載されている。啓発スペースにはこのメッセージの他に、リサイクルのマークと、ごみの投入を禁止するマークがそれぞれ描かれている。
リサイクルボックスに正面から向き合うと、投入口が左側にあり、啓発スペースが右側に配置されているが、これにも意味がある。右利きの人が投入口に入れようとした際、自然と啓発スペースが視野に入りやすくするためだ。
第3の特徴は、鮮やかなオレンジ色だ。一般的にリサイクルボックスは青系や灰色といったように、なるべく目立たない地味な色をしている。目立ちすぎると、遠くから発見されやすくなるためだ。
しかし、新型リサイクルボックスをあえて目立つ色にしたのは、「ごみ箱感」を払拭(ふっしょく)する狙いがある。石黒氏は「業界内では色を巡って議論があった。あえて、社会に対して『私はリサイクルボックスです』とその存在をアピールすることを目的に明るい色にした」と説明する。
なぜ開発したのか
なぜ、新型リサイクルボックスを開発しようと考えたのか。
背景にはリサイクルボックスの知名度の低さがある。
全清飲が15〜59歳の男女1000人を対象に実施した「リサイクルボックスに関する消費者意識調査2020」によると、全体の42.4%が、「自動販売機の横のボックスはごみ箱ではなく、飲料容器専用のリサイクルボックスであることを知らなかった」と回答した。
また、「普段、街中でペットボトルや缶以外のごみが出た場合、どこに捨てることが多いか」と尋ねたところ、最多の回答は「自動販売機の横にあるボックス」(52.9%)で、「コンビニのごみ箱」(38.1%)や「駅のごみ箱」(37.0%)を上回った。
自販機横のボックスに入れたことがあるものについては、「ペットボトル」(95.4%)、「缶」(78.6%)、「ビン」(38.7%)がベスト3だった。一方、「コンビニコーヒーやタピオカ容器」(6.4%)、「レジ袋」(2.5%)、「アルコール容器(ビール、チューハイなど)」(2.4%)、「食品容器」(2.3%)、「家庭ごみ」(1.0%)、「たばこ」(0.8%)といった回答もあった。全清飲は「ペットボトル・缶・ビン以外のごみも入れられている実態が明らかとなった」としている。
実際にリサイクルボックスにペットボトル、缶、ビン以外のごみを捨てたことがあるのは全体の10.6%で、その理由については 「捨てる場所がなかった」「ポイ捨てよりはましだと思った」「飲料の容器であれば何でもいいと思った」といった声が聞かれた。
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