インフレ手当、4社に1社が取り組み中 「一時金」の平均支給額は約5万3700円:支給済みは6.6%(2/2 ページ)
帝国データバンクは、インフレ手当についてアンケートを行った。物価高騰をきっかけに、従業員へ特別手当(インフレ手当)の支給を実施・検討しているか尋ねたところ、支給した企業は全体の6.6%となった。
インフレ手当の支給方法や支給額
インフレ手当の支給方法や支給額について尋ねたところ、インフレ手当に取り組む企業のうち「一時金」と回答した企業は66.6%、「月額手当」は36.2%となった。企業からは「月額手当にしてしまうと、手当を下げねばならない時にインパクトが大きくなるので、賞与に追加して今をしのいでもらいたい」(鉄鋼卸売)との声が聞かれた。
「一時金」の支給額は、「1万〜3万円未満」(27.9%)、「3万〜5万円未満」「5万〜10万円未満」(21.9%)が上位を占めた。「10万〜15万円未満」は9.1%、「15万円以上」は7.3%と、10万円以上を支給する企業は15%超にのぼった。「一時金」の平均支給額は約5万3700円だった。
「月額手当」の支給額は、「3000〜5000円未満」「5000〜1万円未満」が30.3%で最も多く、「3000円未満」(26.9%)が続き、1万円未満が全体の9割となった。「1万〜3万円未満」は11.8%、「3万円以上」は0.8%だった。「月額手当」の平均支給額は約6500円。
帝国データバンクが2月に発表した「2022年度の賃金動向に関する企業の意識調査」では、物価動向などを理由に5割以上の企業が賃金改善を見込んでいた。同社は、「4社に1社が取り組み中とはいえ、コスト上昇分を販売価格に転嫁できず収益が低迷しているため、ベースアップや手当支給に踏み切れない企業も数多い。政府は、企業が価格転嫁しやすい環境の整備や賃上げを促す支援策の実行などが求められる」と指摘している。
関連記事
- 脱げない靴下をつくりたい――と考案した「はかないくつした」が話題 逆転の発想はどう生まれたのか
「靴下のかかとが脱げやすいなら、いっそなくせばいいのでは?」――そんな思い付きから生まれたのが、ナイガイ(東京都港区)の「はかないくつした SUASiC(スアシック)」(1足880円)だ。 - オートミールを茶碗によそって箸で食べる!? 日本市場を狙うケロッグの意外すぎる作戦
日本ケロッグは9月15日、「粒感しっかり オートミールごはん」を発売した。同社の執行役員でマーケティング本部長の山田実さんによれば、日本のオートミール市場規模はこの4年で約10倍以上に急成長しており、2021年は623億4000万円にのぼるという。この急拡大は、オートミールならではの食べ方「米化」が要因だ。 - 「セカンド冷凍庫」が一躍人気になっている“なるほど”な理由 シャープに聞いた
「セカンド冷凍庫」が注目を集めている。家にもう1台冷凍庫を置くというと、部屋が手狭になるなどマイナスな印象を受けるかもしれないが、直近2年間で国内出荷台数は2倍近くに急増。人気の背景には、食品買いだめやコストコなど大容量商品の人気上昇のほかにも、追い風があるようだ。詳しい理由をシャープに聞いた。 - もはやオシャレ家電? 人気の「セカンド冷凍庫」しのぎ削るメーカー、焦点は2つ
食品買いだめやコストコなど大容量商品の一般化、ふるさと納税の返礼品などを追い風に、人気上昇中の「セカンド冷凍庫」。各社の人気セカンド冷凍庫を分析すると、ある特徴が見えてくる。キーワードは、「スリム」と「大容量」だ。 - 異例の350万本突破 リップモンスターが口紅市場で“モンスター級”になれた理由
コロナ禍により、化粧品市場は大きな打撃を受けた。2020年は6670億円(前年比88%)と大きく落ち込み、21年もほぼ同水準となった。最大の要因はメークアップ化粧品で、特にファンデーションや口紅など、マスクを着用すると崩れたり隠れたりしてしまうカテゴリーの落ち込みが大きくなっている。こうした状況にあって、累計販売本数が350万本突破するほどの人気商品となっているのが、KATEの落ちにくい口紅「リップモンスター」だ。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.