セクハラや不祥事「SNSで告発」 なぜ内部の相談窓口は信用されないのか:有効な対策は?(1/3 ページ)
ハラスメント被害や企業の不祥事が交流サイト(SNS)に投稿され、組織が大きなダメージを負うケースが相次いでいる。直近では、帝京大の男子学生が男性教授から差別的な対応を受けたとする内容がTwitterに投稿され、大学側は事実関係の調査を始めた。多くの組織が内部の相談窓口を設置している一方で、SNSに情報が晒(さら)されるのはなぜなのか。
ハラスメント被害や企業の不祥事が交流サイト(SNS)に投稿され、組織が大きなダメージを負うケースが相次いでいる。直近では、帝京大の男子学生が男性教授から差別的な対応を受けたとする内容がTwitterに投稿され、大学側は事実関係の調査を始めた。多くの組織が内部の相談窓口を設置している一方で、SNSに情報が晒(さら)されるのはなぜなのか。背景を探ると、内部窓口への不信感が浮かんでくる。
「女子学生さんですよね? たまに女子みたいな男子もいますので、念のため」
「男子には内緒ですが、女子は基本的には応募=採用です」
11月21日にTwitterに発信された投稿。ゼミの学生募集に関し、男性教授から届いた返信内容が画像で公開された。教授は男子学生の名前から女子だと勘違いしたという。
投稿には、返信内容とともに、この学生と教授のやりとりが録音された音声データも添付されており、教授の一方的な発言が収められていた。
「あなたが女だったら、優先的に採るつもりだよと。それだけだよ」
「最後は決める人(採用者)が権限持ってるわけでさ。四の五の言われる筋合いじゃないのよ」
「機会は与える。結果の平等はないよ」
この投稿内容を把握した帝京大は22日、この教授のゼミの学生募集を中止したと発表し「教員の立場を利用した学生へのハラスメント行為(アカデミックハラスメント)や差別的行為を許容しておらず、決して許されるべきものではない」とのメッセージを発信。24日には、内部調査委員会を発足したと発表した。
弱い立場の人に「抗う力」与えたSNS
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