ニュース
高齢者にとって「住み心地」のよい場所はどこか 6つの条件:「つくる」という発想(3/3 ページ)
「住み慣れたところで暮らしたい」と考えている高齢者も多いかもしれないが、本当にそれでいいのだろうか。高齢者にとって住み心地がよい場所……。
住み慣れた場所を「つくる」という発想
もちろん高齢者にも、長い高齢期を視野に入れて住み替えを検討する人は増えていて、「いつ、住み替えるのがいいか?」という質問をよく頂くようになりました。
筆者は必ず「早い方がいい」と答えます。理由は何よりも、事故や体調急変はいつ起こるか分からない(明日かもしれない)からですが、もう一つは、元気なうちの方が環境変化に適応する力があるからです。
若い人と同じように、しばらくすれば「住めば都」となり、先述の6条件がそろっていれば、それまでの「住み慣れた場所」よりはるかに楽しく過ごせる人も多いでしょう。逆に、適応する力が衰えてから環境を変えると、なかなかなじめず、リロケーション・ダメージを受ける危険性が高くなってしまいます。
早めの住み替えは、「人生の最後は、住み慣れた場所で」という願いをかなえる行動でもあります。早く住み替えるほど、その環境に適応しやすいので、人生の最終盤を過ごせる住み慣れた場所をつくることができるからです。切羽詰まってから住み替えたのでは、住み慣れた場所にはなりません。
高齢者には今、これまで長く住んできた「住み慣れた場所」に固執するのではなく、これからの長い期間を考慮に入れて、「住み慣れた場所を“つくる”」という発想の転換が求められていると思います。(川口 雅裕)
Copyright (c) INSIGHT NOW! All Rights Reserved.
関連記事
ちょっと前までブームだったのに、なぜ「高級食パン」への風当たりは強いのか
どうやら「高級食パン」のブームが終わるようだ。最近、さまざまなメディアがこのように報じているわけだが、なぜ「高級食パン」への風当たりは強いのか。その背景には、2つの理由があって……。
なぜ「プリウス」はボコボコに叩かれるのか 「暴走老人」のアイコンになる日
またしても、「暴走老人」による犠牲者が出てしまった。二度とこのような悲劇が起きないことを願うばかりだが、筆者の窪田氏は違うことに注目している。「プリウスバッシング」だ。どういう意味かというと……。
「男女混合フロア」のあるカプセルホテルが、稼働率90%の理由
渋谷駅から徒歩5分ほどのところに、ちょっと変わったカプセルホテルが誕生した。その名は「The Millennials Shibuya」。カプセルホテルといえば安全性などを理由に、男女別フロアを設けるところが多いが、ここは違う。あえて「男女混合フロア」を取り入れているのだ。その狙いは……。
登山家・栗城史多さんを「無謀な死」に追い込んだ、取り巻きの罪
登山家の栗城史多さんがエベレスト登頂に挑戦したものの、下山中に死亡した。「ニートのアルピニスト」として売り出し、多くの若者から支持を集めていたが、登山家としての“実力”はどうだったのか。無謀な死に追い込まれた背景を検証すると……。
