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高齢者にとって「住み心地」のよい場所はどこか 6つの条件:「つくる」という発想(2/3 ページ)
「住み慣れたところで暮らしたい」と考えている高齢者も多いかもしれないが、本当にそれでいいのだろうか。高齢者にとって住み心地がよい場所……。
高齢者にとっての「良い住まい」は?
高齢者にとって住み心地がよい場所の条件は、筆者が思うに、次の6つです。
まず、ハード(建物や設備)とソフト(人やサービス)の両面での安全・安心。顔見知りが何人もおり、声掛け、あいさつ、立ち話、情報交換が日常的に行えること。家の中も地域についてもよく分かっており、迷いや遠慮なく暮らせること。生活に必要な物を調達する施設が近くにあること。使い慣れた物や設備、思い出や懐かしさを感じる物に囲まれていること。そして、趣味や運動などの活動の場が近くにあり、仲間もいて継続しやすいこと――。
昔は、「住み慣れた場所」にこれら6つの条件がそろっていたから、住み心地もよかったのでしょうが、今やそうではありません。住み慣れた場所の住み心地がよいというのは、もはや昔の話といえるでしょう。
高齢期の長さの問題も無視できません。厚生労働省の「簡易生命表」(2021年)によれば、65歳まで健康だったら、平均的に男性は85歳まで、女性は90歳まで生きる時代となりました。昔のような短い老後なら、不便でも長く住んできた場所で我慢して暮らすという選択肢もあり得ますが、平均で20〜25年という長い期間を考えれば、今まで住んできた場所の住み心地を見つめ直し、これからの高齢期にふさわしい場所を改めて考えるべきでしょう。子が親に住み替えを勧めるケースが増えているのも、長い高齢期を見据えてのアドバイスなのだと思います。
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