ドラッガーやバフェットも重視した──炎上から会社を守るのに大切な「考え」とは:「炎上」の正しい回避法(3)(1/3 ページ)
炎上しない企業を作るには、どうしたらいいのか。「コンプライアンス意識が足りない!」と非難されることが多いが、そもそもコンプライアンスとは何なのか? ドラッガーやバフェットが重視した価値観とは? 炎上から企業を守るノウハウを、ブラック企業アナリストの新田龍氏が解説する。
炎上などで世の中を騒がせてしまった会社が、世間から「コンプライアンス意識が足りない!」と非難されることがある。よく耳にする言葉ではあるが、実際どのような意味を持つのだろうか。
「コンプライアンス」を直訳すると「法令順守」との意味になるが、昨今では単に法律を守ればよいというわけではないようだ。社内規定やマニュアルといった所属組織内の規律、そして倫理観や社会的規範など、法的に規定されているわけではない道徳やマナー的なものまで含めた社会のルールに沿えており、公正明大であること、といったニュアンスが含まれる。
縛りが強い順に、次の通りとなる。
国民が守るべきルール
国会で制定された法律、国の行政機関で制定される政令、府令、省令といった、法的拘束力のある法令全般。地方公共団体の条例、規則なども含まれる。
所属組織のメンバーが守るべきルール
就業規則、社内規定、業務マニュアルなど、所属組織のメンバーが順守しなければならない取り決め全般。
人として配慮すべきルール
倫理観、道徳観、社会的規範やマナー、公序良俗意識、誠実さなど、法令や規則で定められたものではないが、社会から求められるルール全般。
特に3つ目の要素は、違反したからといって特段の罰則があるわけではない。
しかし、これからの時代、単に法律を守るのみならず「社会的規範や倫理的ルールを意識し、順守したうえでビジネスをする」との姿勢を示すことは、企業が社会的責任を果たす上で根幹となる要素であり、消費者や取引先からの信頼を獲得するためには必須であるといえよう。
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