なぜ、「AOKI」がひとり勝ち? 会社を救った大ヒット商品と、紳士服以外の事業:長浜淳之介のトレンドアンテナ(1/6 ページ)
紳士服4大チェーンで、「AOKI」を展開するAOKIホールディングスが復活を果たしつつある。競合他社は苦戦しているのになぜなのか? 背景を探っていくと……。
紳士服4大チェーンで、「AOKI」を展開するAOKIホールディングスの業績が唯一、黒字転換。ひとり勝ちの情勢だ。
「洋服の青山」を展開する青山商事は2022年3月期こそ黒字に転換したが、23年3月期中間決算では再び赤字に転落してしまった。両チェーンは、ロードサイドを中心に店舗を展開する、同業者であるにもかかわらず、どうして差がついてしまったのだろうか。
また、「紳士服コナカ」のコナカにおける22年9月期も赤字。「はるやま」のはるやまホールディングスの22年3月期及び23年3月期中間決算も赤字だった。
AOKIからは、「パジャマスーツ」というコロナ共存時代の在宅勤務者向け新商品が生まれた。また、別事業で子会社の快活フロンティアが経営するネットカフェ「快活CLUB」が、リモートワークの拠点として活用されて業績好調である。
他の3社も、新しい生活様式に対応したビジネスモデルの構築を急いでいるが、一足先にAOKIが抜けた。リモートワークの普及で通勤者が減少する紳士服業界で、何が起こっているのか。
業界2位のAOKIホールディングスの22年3月期決算は、売上高1549億円(前年同期比8.2%増)、経常利益44億円(前年は66億円の損失)、最終利益も26億円(前年は119億円の損失)と、黒字転換を果たし、コロナ禍の低迷から脱している。
23年3月期中間決算も、売上高756億円(前年同期比21.2%増)、経常利益17億円(前年は34億円の損失)、最終利益6億円(前年は38億円の損失)と、引き続き好調だ。
コロナ前の19年3月期は、売上高1939億円、経常利益119億円、最終利益46億円だった。そこにはまだ届いていないが、現状はV字回復に向かって復調している。
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