スーパーで服が買われない時代に、ベイシアがアパレル新ブランドを立ち上げた理由:磯部孝のアパレル最前線(2/3 ページ)
最近、スーパーの「衣料品部門」に逆風が続く。そんな中、群馬発のスーパー「ベイシア」が地元企業とタッグを組み、新ブランドを立ち上げるという。なぜ、今なのか。
振り返れば00年前後以降、総合スーパーには逆風の時代が続いている。バブル景気が弾け、景気に下降の兆しが見えていた当時、忠実屋、長崎屋、ダイエー、マイカルといった不採算が続くチェーンの統廃合とともに、品ぞろえ勝負の量販店への否定的な見方さえあったと記憶する。
“失われた30年”の始まりとともにデフレ時代が到来し、生活者のライフスタイルも大きく変わった。大きな理由として、共働き世帯の増加が挙げられる。厚生労働省発表の「共働き等世帯数の年次推移」を見ても分かるように、94年に初めて共働き世帯が男性雇用者と専業主婦からなる世帯を超えて以降、年々共働き世帯は増加。07年には1000万世帯を突破し、今日では共働き世帯が「当たり前」の世帯像として定着しているといえよう。
こうした共働き世帯の増加は、世帯収入の増加以外にもたらした変化があった。それは家事負担の軽減というニーズだ。
「忙しさ」がカギに?
家事負担の軽減というニーズに応えたのが、当時、総合型量販店が力を入れ始めたチルド食品だった。冷凍技術の進歩が、「冷凍食品=手抜き」というイメージを、時短でおいしいご飯も食べられるというプラスのイメージに転換し、一気に支持を集めることになる。
チルド食品の台頭は、それまで食品専門チェーン店に押され気味だった総合型量販店の客離れが食い止められるきっかけになった。それが、上述した日本チェーンストア協会加盟店のデータにおける、食品カテゴリーの売上構成比が向上した要因の一つではないかと考えている。
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